奇妙なランの世界
優雅な美しさで知られるランだが、中にはサルの顔のような奇妙な形をしたものや、昆虫を引き寄せるために悪臭を放つものもある。
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ラン科には世界で2万種以上(哺乳類の種数の4倍)、800以上の属が含まれる。このうち約2000種はバルボフィラム(Bulbophyllum)属に属し、熱帯雨林に分布している。

ランは湿潤な熱帯林から極寒の極地まで、高い樹上から地中に至るまで、さまざまな気候条件の下で生育できる。ただし、よく育つためには種ごとに異なる環境条件が必要だ。デンドロビウム・アレクサンドラエ(Dendrobium alexandrae、写真)は、霧の立ち込める雲霧林の苔むした樹上で最もよく育つ。

ランの花は数時間でしおれることもあれば、6カ月にわたって咲き続けることもある。一方で、開花までに数年かかる株もある。

研究者によると、ランには不快で刺激的なにおいからバニラのような甘い香りまで、多様で特徴的な香りがある。腐った肉のようなにおいを放つ種はハエを引き寄せ、心地よい香りの種はハチを呼び寄せて受粉させる。

ランは岩の上や岩の周りにも生育する。多くの種は草のように地面から生えるという単純な生き方をしている。しかし、ランの大半は着生植物で、より丈夫な樹木に寄生することなく付着して暮らし、主に高い場所に生える。

小さな罠のような独特のがく片と花弁の構造は、パフィオペディルム・スピセリアヌム(Paphiopedilum spicerianum)の特徴だ。食虫植物の罠とは異なり、この罠は昆虫を消化せず、昆虫を中に誘い込んで花粉を付けさせるだけだ。

特殊な構造を持つ内側の花弁と外側のがく片が、ランにさまざまな独特の形をもたらしている。「モンキーフェイス・オーキッド」とも呼ばれるドラキュラ(Dracula)属のランは、細長くとがったとげのようながく片を持つことから、ラテン語で「小さな竜」を意味する名が付けられた。

花弁とがく片の特徴的な形は、受粉を助ける小動物をランが引き寄せるのに役立っている。研究者によると、ワルセウィッツェラ・アマゾニカ(Warczewiczella amazonica、旧名Cochleanthes amazonica)の長い紫色の筋模様は、昆虫を引き寄せるのに役立っているという。

