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ベトナムのランの美しさ

ラン(ラン科、Orchidaceae)は、気品ある姿、鮮やかな色彩、豊かな香りから「美の女王」にたとえられる。


パフィオペディルム・ヴィエトナメンセ(Paphiopedilum vietnamense)。この種は中国と国境を接するベトナム北西部の国境地帯で、パフィオペディルム・エマーソニー(Paphiopedilum emersonii)とともに発見されたが、このベトナム固有のランがO・グルス(O. Gruss)とH・ペルナー(H. Perner)によって命名・発表されたのは1999年になってからだった。花弁は8~10cmと非常に大きく、ピンク色。唇弁は前面が濃い紫色で後方に向かって淡くなり、縁は内側に巻き込む。内面には濃い紫色の斑点が多数あり、中央部の蕊柱の付け根のすぐ下には白い毛が密生した帯がある。


パフィオペディルム・ビロサム(Paphiopedilum villosum)。ベトナムで最も一般的で、最も栽培しやすい種とされる。背萼片は緑色で縦の筋模様があり、白い縁はやや後ろに反り返る。花弁はやや垂れ下がって前方に湾曲し、縁は波打ち、中央に赤褐色の太い筋がある。袋状の唇弁は褐色を帯びた黄緑色で、縁は黄褐色、側裂片は内側に巻き込む。


パフィオペディルム・アップルトニアナム(Paphiopedilum appletonianum)。標高約1500mの常緑熱帯雨林の林床に、ごくまばらに生える。乾燥にはかなり強い。分布は非常に限られ、ベトナム中部高原のラムドン(Lâm Đồng)省、ダラット(Đà Lạt)周辺に生育する個体はごくわずかだ。生息地である森林の縮小により、絶滅の危機にさらされる恐れがある。花は大型で、褐色に淡い緑色が混じる。楕円形の背萼片は後方に反って巻き込み、濃い緑色で、基部に赤みがかったピンクの斑点があり、縁は淡い緑色、先端は白い。唇弁は黄色と緑色を帯びた紫色で、縁は黄色。


パフィオペディルム・アルメニアカム(Paphiopedilum armeniacum)。鮮やかな黄色のこの種は、背萼片が卵形から楕円形で長さ2.2~2.8cm、幅1.4~2.2cm、先はやや尖り、上部の縁は内側に曲がる。側萼片は合着して背萼片より小さく、背面に2本の稜があり、先端には丸い歯が1つだけあり、内面は滑らか。ベトナムの国境地帯の石灰岩山地で住民が販売目的で過剰に採取したため、ベトナムでは完全に絶滅したと考えられている。この種はベトナムには分布しないとする科学者もいるが、実際にはベトナムのランであることを示す資料が数多くある。なお、パフィオペディルム属の全種はベトナムの法律で保護され、ワシントン条約(CITES)附属書Iにも掲載されており、野生株の採取や取引は違法で、刑事訴追の対象となり得る。


パフィオペディルム・カロサム(Paphiopedilum callosum)。分布域が非常に広い種として知られ、ベトナム中部のクアンチ(Quảng Trị)省、フエ(Huế)市、ダナン(Đà Nẵng)市(旧クアンナム省を含む)、中部高原のラムドン省、ザライ(Gia Lai)省、さらには南部の低地の島フーコック(Phú Quốc)島にも見られる。通常は春から初夏にかけて開花し、花茎は高く、毛があり、赤褐色。背萼片はほぼ円形でやや折れ曲がり、縁は波打ち、ピンクを帯びた白色で、基部は緑色、先端に赤い脈がある。唇弁は赤褐色で基部は淡い緑色、両側の裂片は内側に巻き込み、濃い赤色の斑点が多数あって、ベトナムのラン愛好家を魅了してきた。


パフィオペディルム・ディアンサム(Paphiopedilum dianthum)。側萼片が合着して舟形になっているため、ベトナムのほかのランと見間違えることはまずない。2枚の花弁は長くねじれて垂れ下がり、緑褐色で長さ10~12cm。袋状の唇弁は長さ5cmで、黄色がかった緑褐色、縁は内側に巻き込む。ベトナムでの分布は北部のカオバン(Cao Bằng)省、旧ハザン(Hà Giang)省(現トゥエンクアン省)、ライチャウ(Lai Châu)省、ラオカイ(Lào Cai)省、ソンラ(Sơn La)省で、中国、ミャンマー、タイにも生育する。


パフィオペディルム・グラトリキシアナム(Paphiopedilum gratrixianum)。ベトナム北部の旧ヴィンフック(Vĩnh Phúc)省(現フート省)のタムダオ(Tam Đảo)山脈にそびえる峰々が、この種のふるさとだ。背萼片は卵形で基部が細く、縁は波打ち、基部は緑色、縁は白く、中央に大きな赤い斑点がある。花弁は大きく広がって色鮮やかなクジャクの尾のように見え、縁は波打ち淡い緑褐色。唇弁は袋状で濃い緑褐色、両側の裂片は直立する。その華麗な美しさから、ベトナムのラン収集家たちは親しみを込めて「ハイ・ドゥオイ・コン(Hài đuôi công、クジャクの尾のパフィオ)」と呼んでいる。


パフィオペディルム・ヘレナエ(Paphiopedilum helenae)。ベトナムで見つかったパフィオペディルムの中でおそらく最も小さな種で、植物学者アヴェリヤノフ(Averyanov)の愛の物語が、このベトナム固有のランのすべてを物語っている。「ある日の午後、同僚たちと丸一日かけて急な山をいくつも登った後、皆は帰ろうとしていました。しかし目の前の丘がとても魅力的に見え、植生も理想的で、ランが生えている気がしたのです。皆は疲れ果ててもう歩きたがらなかったので、私は一人で登りました。丘の頂上近くまで来ると、岩の縁の近くに鮮やかな黄色の花の群れが見えました。株に比べて花がとても大きく、実に特別なものでした。私は急いで写真を数枚撮り、数株を掘り取って、急いで丘を下りました。妻のヘレン・アヴェリヤノワ(Helen Averyanova)も金髪で、このランのように小柄なので、彼女の名前をこのランに付けたのです」


パフィオペディルム・ヘンリアナム(Paphiopedilum henryanum)。この種がベトナムに分布するかどうかについては長く疑問視されてきた。写真のほとんどは世界各地のランの栽培園で撮影されたもので、ベトナムの自然の中で開花しているのを見た科学者はほぼいなかったからだ。2001年春、レオニード・アヴェリヤノフ(Leonid Averyanov)とD・ハーダー(D. Harder)が、旧ハザン省(現トゥエンクアン省)のフォンクアン(Phong Quang)自然保護区でこのランを発見した。緑色の萼片と内面の濃い紫色の斑点を持つヘンリアナムは、自然が私たち人間に贈った最も美しい作品の一つだ。


パフィオペディルム・マリポエンセ(Paphiopedilum malipoense)。この独特な種は毎年3~4月に開花するのが一般的で、1984年にチェン(Chen)とツィ(Tsi)が博物館の乾燥標本に基づいて初めて記載した。チェンとツィは、標本が中国・雲南省南部で採集されたと考えた。北京に保管されている、K・M・フォン(K. M. Feng)が1947年11月11日に採集した標本は、中国の麻栗坡(Malipo)県で採られたものだ。アヴェリヤノフは、ベトナムでは、旧ハザン省(現トゥエンクアン省)のカンティ(Can Ty)村付近と、ベトナム北部の旧ホアビン(Hòa Bình)省(現フート省)のマイチャウ(Mai Châu)地域の南東部でこれらを発見した。

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この記事はベトナム語から翻訳されました。 原文を読む
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