ベトナムに暮らす奇妙な超小型ヘビ「ミミズヘビ」
一見すると、多くの人は成体のミミズと見間違えるだろう。だが、ヘビ特有の先が二つに割れた舌がちらりと出た瞬間、ぎょっとさせられる。これは紛れもないヘビで、背骨やうろこを持ち、這うときには頭をもたげるなど、ヘビとしての体の特徴をすべて備えている。
このヘビはベトナム語でラン・ジュン(rắn giun、「ミミズヘビ」の意)と呼ばれ、ベトナム北部から南部まで各地で見られ、首都ハノイ(Hà Nội)やホーチミン市(TP HCM)といった大都市にも生息している。その名の通り、丸い頭とつやのある茶色の体をしたミミズヘビは、身近なミミズにそっくりだ。普段は地中や、がれきの山、朽ちた薪の下などで暮らしている。

ミミズではないと見分けるには、よく観察する必要がある。体がうろこに覆われていて体節がないこと、頭に小さな目が一対あること、口を開けられること、そして何よりヘビ特有の先が二つに割れた舌を持つことだ。ミミズが腐植を食べるのに対し、ミミズヘビは主にアリやシロアリの卵を食べる。
地中で暮らす習性のため、ミミズヘビの目は退化しており、視力はほとんど働かない小さな点が残るだけだ(そのため、多くの地域で「盲目のヘビ」とも呼ばれている)。体色は黒褐色で、ミミズに似ているがより濃い。
ミミズヘビのもう一つの奇妙な特徴は、雄がいなくても繁殖できることだ。ミミズヘビは一度に約8個の卵を産み、受精を必要としないこの繁殖方法では、生まれてくるのはすべて雌となる。
このヘビはベトナム全土、タイ、マレー半島、シンガポールに分布している。さらにアフリカ、中東、そのほかの熱帯アジアや温帯アジアの一部、太平洋の島々、アメリカ大陸(メキシコ、米国)、オーストラリアでも記録されている。
このヘビの個体数は比較的少ないが、それは人間の活動によるものというより、独特の生存上の特徴や単為生殖によるものとみられる。
以下は、不思議なミミズヘビの写真の数々だ。

ミミズヘビの外見は、身近なミミズにそっくりだ。

違うのは、うろこがあることと……

見間違えようのないヘビの舌だ。

ミミズヘビの頭部のクローズアップ。

ミミズのように丸い頭とは異なり、ミミズヘビの尾はかなりとがっている。

一般的なヘビと比べると、まさに「ちびっこ」のヘビだ。

成体のミミズヘビの体長はわずか約20cmで、大型のミミズよりも小さい。

毒を持たないヘビだ。

仮に毒があったとしても、口が小さく弱すぎて人の皮膚を傷つけられないため無害だ。

ベトナムに広く分布しているものの、ミミズヘビはなかなか目にすることのない種だ。
ベトナム・旧ダクノン省でヘビの新種を発見
ベトナムの旧ダクノン省(現ラムドン省)旧ダクグロン県で現地調査中の研究者らが、ミズヘビ科の新種Myrrophis dakkrongensisを発見した。

