マグロ、サメに体をこすりつけて寄生虫を除去
マグロは同じ種の仲間ではなくサメに体をこすりつけることが多い。サメの皮膚が寄生虫をこすり落とすのに適した表面となっているためだ。

ヨシキリザメに体をこすりつけるキハダ。(写真:Chris Thompson)
西オーストラリア大学の研究者クリス・トンプソン氏によると、サメの皮膚は非常に清潔で、歯のような小さなうろこに覆われ、紙やすりのような手触りだという。この硬い表面に体をこすりつけることで、マグロは頭部や目、えらに付着して苦痛を与える寄生虫を取り除いている可能性がある。トンプソン氏らは10月19日、研究成果を学術誌『PLOS One』に発表した。
サメとさまざまな魚の相互作用をさらに詳しく調べるため、トンプソン氏らは太平洋、インド洋、大西洋の計36カ所に浮遊式の水中カメラを設置し、各カメラで2~3時間撮影した。6000回以上のカメラ設置を通じて、研究チームは261種、11万7000個体を撮影した。数千時間に及ぶ映像から、キハダ(Thunnus albacares)が体をこすりつける行動の44%を占めていることが明らかになった。ヨシキリザメ(Prionace glauca)は最もこすりつけられやすい種で、その割合は58%だった。
すべての相互作用において、マグロはサメの体の後ろ半分、多くの場合は尾に沿って体をこすりつけていた。こすりつけられたサメは気にしていない様子だった。トンプソン氏は、サメがあまりにも平然としていることに非常に驚いたと話す。こすりつけ行動の17%では、魚は同じ種の仲間と接触していた。より小さな魚がサメに体をこすりつけることは少なく、食べられることを恐れているためとみられる。
英ノッティンガム・トレント大学のイアン・バーバー氏によると、この研究が特に注目に値するのは、観察の多様性と映像の質の高さだという。バーバー氏は、世界的なサメの減少が、他の魚が危険な寄生虫を取り除く行動に影響を及ぼす可能性があると強調した。

