ネットで驚きを呼んだベトナムの奇妙な生き物13選
テレビの動物番組を見ると、アフリカや南米の奇妙な動物に感嘆することが多いが、実はベトナムにも数多くの不思議な生き物がすんでいる。
ベトナムの奇妙な生き物13選
1. 擬態の達人コノハムシ

2012年にデビッド・ヘグナー氏(David Hegner)がベトナムで撮影したコノハムシ。
体長5~10cmほどのコノハムシ科の昆虫は、すみかとする木の葉を葉脈まで見事に再現した姿をしている。卵もその植物の種子にそっくりだ。コノハムシは南アジアから東南アジア、オーストラリアにかけて分布する。
2. スペングラーヤマガメ

ベトナムのスペングラーヤマガメ(Geoemyda spengleri)は、世界最小級のカメの一つとしてネット上で注目を集めている。成熟したオスの体長は通常7~11cm、体重は90~125gほどで、メスはやや重く150~190gになる。本種はベトナムのほかラオスや中国にも生息するが、英名は「Vietnamese leaf turtle(ベトナムのリーフタートル)」とも呼ばれる。
3. 「象の鼻」を持つビワハゴロモ

ベトナム南部のドンナイ(Đồng Nai)省で撮影されたビワハゴロモ
金色の翅を持つビワハゴロモの一種ピロプス・カンデラリア(Pyrops candelaria)は、ベトナムでは「象の鼻のセミ」と呼ばれ、自然の傑作の一つとされる。
この虫は、常緑樹林で雨季の最初の雨が降る夕暮れ時によく姿を現す。跳躍して素早く逃げるため捕まえるのは非常に難しく、きらめく色とりどりの翅を広げて飛び立つ瞬間を撮影できる機会もめったにない。ドンナイや旧ビンフオック(Bình Phước)省(いずれも現在はドンナイ省)に多く生息している。
4. ネズミほどの大きさの有蹄類マメジカ

30年ぶりに確認されたトラグルス・ヴェルシコロル(Tragulus versicolor、英名 silver-backed chevrotain)
有蹄類といえば、水牛や牛、シカなどの大型動物、少なくともヤギくらいの大きさの動物を思い浮かべるだろう。しかし、世界最小の有蹄類がベトナムにすんでいることはあまり知られていない。それがマメジカで、英名のmouse deer(ネズミのようなシカ)もその控えめな大きさを物語っている。ベトナムで最もよく知られているのは、背中が銀色のトラグルス・ヴェルシコロルと、トラグルス・カンチル(Tragulus kanchil、英名 lesser mouse deer)だ。
トラグルス・カンチルは世界最小の有蹄類で、大きさはイエネコほど、平均体長は40cm強、体重は0.7~2kgにすぎない。小さな顔はネズミによく似ており、4本の脚は小枝のように細い。
トラグルス・ヴェルシコロルは絶滅した可能性があるとされていたが、2019年11月、科学者チームがベトナムの森林で自動撮影カメラによる撮影に成功したと発表し、約30年ぶりにその姿が確認された。
5. 苔むした石のようなベトナムコケガエル

このカエルは、ベトナム北部と中国南部の湿潤な熱帯低地林や淡水湿地に生息する。
ベトナム名の「イボ肌の樹上ガエル」は、コケのような斑点のあるざらざらした皮膚に由来する(英名のVietnamese Mossy Frogも「ベトナムのコケガエル」の意味)。この緑色のでこぼこした皮膚のおかげで擬態の達人となり、外敵から身を隠すと同時に獲物を捕らえやすくなっている。
6. 奇妙なガ

ベトナム中部高原のザライ(Gia Lai)省で見つかったポケモンのような奇妙な生き物が、かつてネット上で大きな驚きを呼んだ。最終的に、ヒトリガ亜科(Arctiinae)に属するガの一種クレアトノトス・ガンギス(Creatonotos gangis)と特定された。
7. 陽気な…ちょっと不機嫌そうな顔のトンキンシシバナザル

トンキンシシバナザルは、ベトナムでは「カーダック(cà đác)」とも呼ばれる。この霊長類は、ピンク色の鼻と唇、目の周りの独特な青みがかった皮膚が特徴で、かなりユーモラスな顔をしている。ベトナム北部の旧ハザン(Hà Giang)省(現トゥエンクアン省)、トゥエンクアン(Tuyên Quang)、旧イエンバイ(Yên Bái)省(現ラオカイ省)、カオバン(Cao Bằng)、クアンニン(Quảng Ninh)の標高200~1,200mの森林で主に見られる。
8. 異様に頭の大きいオオアタマガメ

オオアタマガメは1988年にベトナムの切手にも登場した
オオアタマガメはオオアタマガメ科(Platysternidae)に属し、岩が多く、水深があって澄んだ流れの緩やかな森林の渓流にすむ。日中は岩の下に隠れたり川岸で甲羅干しをしたりし、夕暮れ時や夜間に餌を探す。主な餌は小魚、軟体動物、カニ、ミミズなどの無脊椎動物だ。
9. 笑顔模様の緑色の翅を持つカマキリ

この色鮮やかな昆虫は自然が生んだ芸術作品のようで、さらに翅には愛らしい笑顔のような模様まで「描かれて」いる。
この緑色の翅を持つカマキリはかなり珍しく、ベトナムではベトナム北部のタムダオ(Tam Đảo)国立公園、ニンビン(Ninh Bình)省のクックフオン(Cúc Phương)国立公園、中部フエ近郊のバックマー(Bạch Mã)国立公園の森林でしか確認されていない。
10. 脚が「飾り」にすぎない短足トカゲ

短足トカゲ(ベトナム名 thằn lằn chân ngắn)はトカゲ科(Scincidae)に属し、ベトナムと東南アジアに分布する。体長はわずか15cmと小型だ。四肢は縮小しているものの、指は5本そろっている。脚は体を支えるだけの力がほとんどなく、ほぼ「飾り」にすぎない。
11. インドシナのトビトカゲ

トビトカゲの一種ドラコ・インドキネンシス(Draco indochinensis)はアガマ科に属し、カンボジアとベトナム南部に生息する。体長は約10cmで、樹上で暮らし、地上に降りることはめったにない。食性や行動についてはほとんど分かっていない。
12. クジャクの衣装を借りた?ミノバト

クジャクのように色鮮やかなミノバトは、ニコバル諸島(インド)からマレー諸島、一部の太平洋の島々にかけて、小島や沿岸部に生息する。
ベトナムでは、南部沖合にある現ホーチミン市管轄のコンダオ(Côn Đảo)諸島でしか見られない。
13. 走って跳ねる魚トビハゼ

トビハゼの仲間はハゼ科(Gobiidae)の魚で、熱帯の河口や河川下流域、沿岸にすむ。泥の上をかなり素早く、まるで走ったり跳ねたりするように移動できる。肺は持たないが、皮膚や口・喉の粘膜から酸素を取り込むことで陸上でも呼吸でき、水中ではえらを使う。
この魚はメコンデルタ各地の河口でよく見られる。

