森で道に迷ったときの20のサバイバル術
森歩きが好きで、自然や森の動物たちの不思議を探り、風のささやきに耳を傾けるのが楽しみ……そんなあなたが探検に夢中になるうち、ふと森の奥で迷い、出口が見つからないことに気づく。しかも日が暮れ始め、不安はさらに募る。そんなとき、どうすればよいのだろうか。
森でのサバイバルのコツ
森や山を探検する旅に出る前に、万一深い森で迷ったときに備えて、4つの準備と必須の森で生き延びるための技術を身につけておくべきだ。

4つの準備として必要なのは次のことだ。どこへ行くにも、まず何より大切なのは、探検する地域がどのような場所かを調べておくことだ。インターネットや地域の地図で調べることができ、その地図は旅の間ずっと持ち歩くようにしよう。そうすれば森で迷う危険を避けられる。さらに、その地域の植物や動物に関する知識(どの植物が食べられるか、避けるべき危険な動物のすみかはどこかなど)も極めて重要だ。

出発前には必ず十分に食事と水分をとっておこう。また、家族や周囲の人に、行き先や出発・帰着の予定時刻など計画している旅について伝えておけば、森の奥で迷っても誰かが気づいて警察や救助隊に通報してくれる。

ナイフ、針金、笛、エマージェンシーブランケット(薄くて軽いが保温性が非常に高い)、反射鏡、防水ケースに入れたマッチ、コンパスなど、森で生き延びるのに役立つ道具を持っていこう。森の奥では何が起こるかわからないので、個人用の救急セットと薬も忘れずに。

また、必要なときに連絡できるよう、予備のモバイルバッテリーとともに携帯電話を常に身につけ、無線電波を発信できる機器も持っておこう。これらは迷ったりけがをしたりしたときに命を救ってくれる必需品だ。
十分な準備に加えて以下の20のサバイバル術を身につけておけば、不運にも森で迷ったとしても生き延び、助けを得て脱出することは十分に可能だ。
1. 森で迷っても慌てない

深い森で迷ったときに生き延びるには、まず落ち着いて状況を見極めることが必要だ。そうすれば自力で生き延び、すぐに助けを得ることができる。
パニックになっても問題は解決しない。体力を消耗し、精神的にも不安定になり、森の奥でさらに危険な目に遭うおそれがある。迷ったと気づいたら、まず立ち止まり、深呼吸して落ち着こう。STOPという頭文字の原則に従って行動しよう:
- S – 座る(Sit down)。
- T – 考える(Think)。
- O – 周囲を観察する(Observe your surroundings)。
- P – 持っている道具で解決策を探す準備をする(Prepare for survival by gathering materials)。
2. 方角を確かめる

森の中ではどこも見慣れない場所に見えるため、通った場所がわかるように、布や紙など遠くからでも見えるもので目印をつけよう。日の出と日の入りの方向から方角を判断し、コンパス(12時の位置から時計回りに北・東・南・西)を使って出口を探そう。
3. その場から動かない

疲れて体力が尽きかけていると感じたら、体力を温存するためにその場でじっとしているのが一番だ。そうすれば体に必要な水や食料の量を抑えられるだけでなく、発見される可能性も高まる。座って休もう。複数人で行動している場合は決して離ればなれにならないこと。人数が多いほど有利で、どんな状況でも生き延びやすくなる。
袖を下ろし、長ズボンをはき、顔を覆って虫刺されから肌を守ろう。傷はできるだけ早く手当てすること。放置すると感染症にかかりやすくなる。
4. 火をおこす

周囲で枯れ木を探して3つの山に分け、火をおこして夜間の体温を保とう。暖かい天候でも、これを軽視してはいけない。燃料を節約し、森林火災を防ぐため、薪は少しずつくべること。火が安定したら、生木の枝をくべて煙を立て、救助隊の注意を引くこともできる。
映画では、主人公が小さな洞窟を見つける場面がある。中を片づけ、薪を集めて火をおこせば、これ以上ない居心地のよい隠れ家の出来上がりだ。
しかし現実に同じことをすると、痛い目に遭うかもしれない。火をたくと高温で洞窟の天井の岩が熱せられて膨張し、崩落を招きやすくなる。そのため、建物ほどの大きさの洞窟でない限り、洞窟内で火をたくのは危険だ。
火をおこすのに最も適しているのは、開けた屋外だ。
5. 救助のサインを出す

口笛を吹く、大声を出す、石同士を打ち鳴らすなどして救助のサインを出そう。上空からも見えるように自分の位置に目印をつけること。山の上なら葉を3つの山にして三角形に並べ、砂漠なら砂の上に大きな三角形を描こう。野外では、数字の3に関わるものはすべて救助を求める標準的なサインとされる。
例えば火を使う場合は、3つのたき火を一直線か三角形に並べる。笛を3回吹く、鏡で日光を3回反射させるといった方法もある。
また、石や衣服の切れ端で印をつけて「道しるべ」を作ることもできる。食べ物や果物で道に印をつけるのは避けよう。野生動物を引き寄せるおそれがあり、非常に危険だ。
6. 周囲の様子を把握する

森で迷ったときにあちこち歩き回ることは勧められないが、可能であれば周辺を歩いて自分のいる場所の様子を把握しておくとよい。脱出に役立つものが見つかるかもしれない。
水源や避難場所、帰り道を探しに行くときは、必ず最初の場所に戻れるようにしておこう。
7. きれいな水源を探す

水は私たちの体にとって欠かせない。通常、人間の体は水なしで3日ほど耐えられるが、水がなければ脱水状態になって次第に衰弱し、生き延びることはできない。周辺の小川を探して水分を補給するよう努めよう。
サバイバルの手引きによると、虫が密集している場所を手がかりに水源を見つけることができる。ハチはふつう水源から数マイル以内に巣を作り、ハエは約100m以内にいることが多い。淡水の周りを好んで飛ぶ近くの鳥に注目したり、小川につながっている可能性がある地面の大きな浸食跡を探したりするのもよい。
それも無理なら、露を飲むこともできる。布を露にさらしてから絞って水を取ろう。岩の割れ目で水が見つかることもある。
8. 水を浄化する

自宅で準備する段階で、浄水タブレットか、いつでもどこでも湯を沸かせる小さな鍋を用意しておこう。浄水器も鍋もない場合は、水をペットボトルに入れ、日なたに6時間置いて水中の細菌や生物を死滅させる方法もある。さらに追い詰められた状況でも、水で命をつなぎ、体力が尽きないようにしなければならない。
9. 避難場所を探す

倒れた木や傾いた木の幹を見つけ、大きな枝を組んで骨組みを作り、森の葉で覆えば寝床を作れる。可能なら洞窟を探してもよいが、クマやヒョウ、ヘビなど危険な動物がいないことを必ず確かめよう。
避難場所は、ほかの人が見つけられる状態にしておくこと。完璧な避難場所を作るのに体力を使いすぎてはいけないが、体温を保てるよう寝床はしっかり整えよう。
10. 安全な食べ物を探す

健康な成人の多くは、暖かい気候なら食べ物がなくても最長3週間生き延びられる。空腹でも健康なほうが、病気になるよりずっとよい。だからこそ、口に入れる前にその食べ物が安全かどうか必ず確かめよう。
昆虫やその他の虫を食べることをためらってはいけない。バッタを食べるのは気持ち悪いと感じるかもしれないが、誰にも知られずにここで命を落とすよりはましだ。こうした昆虫は、生き延びるための有用な栄養を体に与えてくれる。
昆虫は必ず加熱するか焼いて食べること。寄生虫を体内に持ち込み、命を落とす原因になりかねないからだ。毛虫や色鮮やかな昆虫、かんだり刺したりする可能性のある昆虫は一切食べてはいけない。どの昆虫も、食べる前に脚と頭と羽を取り除こう。
水辺の近くにいるなら、魚はよい選択肢だ。どんなに空腹でも、見つけたキノコや木の実は食べないこと。森の果実の多くは有毒で、特に白い実は危険だ。
また、川魚などの食料を蓄えておかないよう注意しよう。野生動物を近くに引き寄せるおそれがある。
11. 沼にはまったとき

沼に落ちたり泥だらけの水の中を泳いで渡らなければならなかったりすると、普段どおりに泳ぐのは非常に難しい。この場合は、背中を反らせて頭を上げた姿勢を保とう。
この姿勢なら、より速く空気を取り込み、肺により多くためることができる。
12. 迷ったら小さな水の流れを探す

小さな水の流れはより大きな川へと流れ込み、多くの場合、人が住む地域へとつながっている。
ただし、この方法がいつも通用するとは限らない。確かに人は川の近くに住むことが多いが、川の長さによっては人を見つけるまでに何週間もかかることがある。そのため、その地域の地理をよく知らない場合は、遭難した場所にとどまろう。そこは救助隊が最初に捜索する場所なので、辛抱強く待とう。
13. 爆弾が爆発したとき

平和な国に暮らしていれば、爆弾に直面するなど考えたこともないだろう。しかし実際にそうなったら、床にうつぶせになり、手で頭を覆い、脚を交差させ、何より口を大きく開けることが最善だ。
この姿勢は、物が体に落ちてきた場合に生存の可能性を高める。口を開けるのは圧力を逃がし、爆風の圧力で肺や鼓膜が破れるのを防ぐためだ。
14. 頭薬をろうで覆ったマッチを常に持ち歩く

マッチは金属製の容器に入れておくのが理想だ。紙やプラスチックの箱に入れる場合は、マッチ1本1本の頭薬をろうで覆っておこう。
これはサバイバルの専門家が重視する備えの一つだ。生死を分ける状況では火が最優先だからだ。頭薬をろうで覆っておけば、水に落ちても湿らない。使うときはろうを削り取ればよい。
15. 凍傷になったとき

「凍傷」とは、体の一部が極度の低温にさらされて組織が損傷することを指す用語だ。凍傷は、患部が壊死してのちに切断しなければならなくなるほど重症化することもある。
不運にもそうした状況に陥ったら、まず周辺部をぬるま湯(熱湯ではない)で温め、その後ぬるま湯に浸した布の包帯を患部に当てよう。手を直接熱い湯に浸すのは絶対にやめること。状況を悪化させるだけだ。
16. 天然の精油で蚊に刺されにくくする

自然の中では、天然のものを使って蚊を避けることができる。松の油は独特の香りで、蚊や一部のダニを寄せつけにくくする効果が期待できる。同様に、レモングラスの葉にも虫よけの効果が期待できる。
17. 低体温症を防ぐため高い寝床で寝る

食料と水を確保するだけでなく、自分の身を守ることも非常に重要だ。洞窟や避難場所を見つけたら、高い場所で寝て冷たい地面から体を断熱し、低体温症を防ごう。
18. 草で朝露を集める

これはオーストラリアの先住民アボリジニの人々が、水を持たずに長距離を歩くときによく使う技術だ。草を編んで輪を作り、日の出前に歩きながら足首に巻きつけて、露を集めて水にする。
19. 気泡緩衝材や木の葉で体を保温する

ばかげているように聞こえるかもしれないが、寒い時期のキャンプでは非常に役立つコツだ。小さな気泡が並んだ気泡緩衝材は空気の層を保ち、優れたクッションの役割を果たす。冬には窓の断熱にも使われているほどだ。気泡緩衝材を持っていなければ、枯れ葉で代用できる。
20. 枝にビニール袋をかぶせて水を得る

野外で迷ったとき、飲むための淡水を見つけることが最優先だ。水がなければ体はすぐに衰弱し、疲労で死に至ることさえある。幸いにも、自然界の水は簡単な方法で容易に凝結させることができる。日光が当たる枝にビニール袋をかぶせておけば、凝結した淡水で必要な水をまかなえることもある。

