ベトナムで最も長い川トップ8
ベトナムでは雨が多いため、非常に多くの河川が形成されており、その数は大小合わせて約2,360の河川と水路に上る。海岸線に沿って約23kmごとに河口が一つあり、統計によると海に注ぐ河口は112カ所ある。ベトナムの大河の多くは国外に源を発し、中流と下流がベトナム国内を流れる。ベトナムの河川のほとんどは北西から南東へ流れ、東海に注いでいる。
注:本記事中の行政区画名(省・県)は、多くの省が統合され県級が廃止された2025年7月1日のベトナム行政再編以前のものである。
ベトナムで最も長い川
1. ドンナイ川(Đồng Nai)

ドンナイ川はベトナム国内だけを流れる川として最も長い。
ドンナイ川はベトナム国内だけを流れる川として最も長い川だ。ベトナム中部高原のラムドン(Lâm Đồng)省にあるランビアン(Langbiang)高原に源を発し、全長は586km。水量が極めて多く、ドンナイ水力発電所群に豊富な水力エネルギーを供給している。ドンナイ川はラムドン、ダクノン(Đăk Nông)、ビンフオック(Bình Phước)、ドンナイ(Đồng Nai)、ビンズオン(Bình Dương)の各省とホーチミン市を流れ、長さは437km以上、流域面積は38,600km²。ダーザン(Đa Dâng)川の源流から数えると586km、ポンゴール(Pongour)滝の下流にあるダーニム(Đa Nhim)川との合流点から数えると487kmとなる。ドンナイ川はカンゾー(Cần Giờ)県の地域で東海に注ぐ。
上流のドンナイ川本流はダーザン川とも呼ばれる。ラムビエン(Lâm Viên)高原を発し、北東から南西へ蛇行しながら山地を抜け、タライ(Tà Lài、ドンナイ省タンフー県)で平野に出る。川はダクルラップ(Đăk R'Lấp、ダクノン省)とバオラム・カッティエン(Bảo Lâm – Cát Tiên、ラムドン省)、カッティエンとブーダン(Bù Đăng、ビンフオック省)・タンフー(Tân Phú)、タンフーとダテー(Đạ Tẻh)の間の自然の境界となっている。
ベー(Bé)川と合流した後、ドンナイ川は左岸(東側)のドンナイ省(ヴィンクー=Vĩnh Cửu)と右岸(西側)のビンズオン省(タンウエン=Tân Uyên)との自然の境界となる。ビンズオン省タンウエン町のウエンフン(Uyên Hưng)坊に至ると、ドンナイ川は北から南へ流れ、タンウエン中州とクーラオフォー(Cù Lao Phố)を囲む。ドンナイ川のクーラオフォーは、この地域が1698年に広南(Đàng Trong、阮氏の支配地域)の正式な行政単位となる以前、明郷(ミンフオン、華人系住民)の共同体が栄えた場所だった。
ドンナイ川はビエンホア(Biên Hòa)市を流れ、ドンナイ省(ロンタイン=Long Thành、ニョンチャック=Nhơn Trạch)とホーチミン市(9区、2区、7区、ニャーベー=Nhà Bè、カンゾー)の境界、さらにバリア・ブンタウ(Bà Rịa – Vũng Tàu)省(フーミー=Phú Mỹ)とホーチミン市(カンゾー)の境界に沿って流れる。下流のドンナイ川本流のうち、サイゴン川との合流点からソアイラップ(Soài Rạp)川とロンタウ(Lòng Tàu)川に分かれる地点までの区間は、一般にニャーベー川と呼ばれる。古い書物ではこの川を「フオックビン(Phước Bình)」と呼んでいた。
2. ダー川(Đà、黒河)

ダー川の本流はムオンテー(Mường Tè)のムーカー(Mù Cả)でベトナムに入る。
ダー川はボー(Bờ)川、またはダージャン(Đà Giang)とも呼ばれ、紅河最大の支流だ。長さは910km(983kmとする資料もある)、流域面積は52,900km²。本流は中国雲南省の無量山に源を発し、北西から南東へ流れてフート(Phú Thọ)省で紅河に合流する。ベトナム国内区間の長さは527km(543kmとする資料もある)。起点はライチャウ(Lai Châu)省ムオンテー県のベトナム・中国国境で、ベトナム西北部のライチャウ、ディエンビエン(Điện Biên)、ソンラ(Sơn La)、ホアビン(Hòa Bình)、フートの各省を流れる(フート省タイントゥイ=Thanh Thủy県とハノイのバーヴィ=Ba Vì県を分ける)。終点はフート省タムノン(Tam Nông)県のホン・ダー三叉路(合流点)だ。
ダー川の本流はムオンテーのムーカーでベトナムに入る。ベトナム領内の最初の区間では、ダー川はナムテー(Nậm Tè)とも呼ばれ、国境に沿って流れ、ムオンテーのムーカーでティエウハック(Tiểu Hắc)支流と合流する。ティエウハック支流はムオンテーのカラン(Ka Lăng)社でベトナムに入り、国境に沿って西へ流れ、ムーカーでダー川本流と合流する。
ダー川は水量が多く、紅河の水量の31%を供給しており、ベトナムの電力産業にとって大きな水力資源となっている。1994年には、8基の発電機で出力1,920MWのホアビン水力発電所が完成した。2005年には、設計出力2,400MWのソンラ水力発電所の建設が始まった。この川の上流には出力1,200MWのライチャウ水力発電所が建設された。2011年に着工し、2016年12月に完成した。流域には多くの希少鉱物をはじめとする豊かな資源が眠り、生物多様性の高い特徴的な生態系が広がっている。
3. ホン川(紅河)

紅河の年間平均流量は非常に大きい。
紅河は全長1,149kmで、中国に源を発し、ベトナムを流れて東海に注ぐ。ベトナム国内区間の長さは510km。ベトナムの水稲文化にとって重要な川だ。紅河がベトナム領に初めて接するのはラオカイ(Lào Cai)省バットサット(Bát Xát)県のアムースン(A Mú Sung)社だ。ラオカイでの紅河の標高は73m。ラオカイから145km離れたイエンバイ(Yên Bái)では標高わずか55mとなる。両省の間には26の早瀬や滝があり、流れが速い。ヴィエットチー(Việt Trì)まで来ると勾配はほとんどなくなり、流速は大きく落ちる。紅河デルタはこの川の下流に位置する。
紅河の年間平均流量は非常に大きく、毎秒2,640m³(河口)に達し、総流出量は835億m³に上るが、流量は季節によって偏りがある。乾季には流量が毎秒約700m³まで減るが、雨季のピークには毎秒30,000m³に達することもある。
4. マー川(Mã)

マー川は主に山岳森林地帯と丘陵地帯を流れる。
マー川はベトナムとラオスを流れる長さ512kmの川で、そのうちベトナム国内区間は410km、ラオス国内区間は102km。マー川の流域面積は28,400km²で、ベトナム国内部分は17,600km²。平均標高は762m、平均勾配は17.6%、流域全体の河川密度は0.66km/km²。年間平均流量はサーラー(Xã Là)で毎秒121m³、カムトゥイ(Cẩm Thủy)で毎秒341m³。マー川は主に山岳森林地帯と丘陵地帯を流れる。マー川の沖積土は、ベトナムで3番目に大きいタインホア(Thanh Hóa)平野を形成した主な源だ。マー川はスーソンチャオチャイ(Su Xung Chảo Chai)山脈とプーサムサオ(Pu Sam Sao)山脈の間の低地に沿って流れる。マー川の支流の多くはこの二つの山脈に源を発する。
マー川は、ディエンビエン省南部のディエンビエン県南部にあるムオンロイ(Mường Lói)社のベトナム・ラオス国境地帯で、複数の渓流が合流して始まる(北緯21度0分49秒、東経103度7分38秒)。ムオンロイ社北部のプーラウ(Pu Lau)村は尾根の上にあり、北西へ流れてメコン水系に属するナムヌア(Nậm Nứa)川と、北東へ流れてマー川の源流となるナムマー(Nậm Ma)川(地元ではセー=Sẻ渓流と呼ばれる)との分水嶺となっている。川はディエンビエンドン(Điện Biên Đông)県へ流れ、途中でディエンビエンドン県ハンリア(Háng Lìa)のいくつかの渓流から水を受け入れる。
川はタインホア省ムオンラット(Mường Lát)県のテンタン(Tén Tằn)国境ゲートで再びベトナムに入る。ここからムオンラット、クアンホア(Quan Hóa)を流れ、クアンホア県内の短い区間はタインホア省とホアビン省の境界となっている。マー川水系の総延長は881km、総流域面積は39,756km²で、そのうち17,520km²がベトナム領内にある。水系全体の年間平均総流量は195.2億m³だ。
5. ラム川(Lam、カー川)

ラム川はベトナム北中部で最大級の二つの川の一つだ。
ラム川(別名:ガンカー=Ngàn Cả、カー川=Sông Cả、ナムカン=Nậm Khan、タインロンザン=Thanh Long Giang)はベトナム北中部で最大級の二つの川の一つだ。ラオスのシエンクワン高原に源を発する。ラオス国内を流れる部分はナムカン(Nam Khan)と呼ばれる。川の主要部分はゲアン(Nghệ An)省を流れ、ラム川の最下流部はハティン(Hà Tĩnh)省から来るラー(La)川と合流し、ゲアン省とハティン省の境界となってクアホイ(Cửa Hội)で海に注ぐ。
『ベトナム百科事典』によると、川の総延長は約512kmで、ベトナム国内区間は約361km。ただし、別の資料はこの川には二つの主な源流があるとしており、プーロイ(Pu Lôi)山脈のナムモン(Nậm Mơn)川を源流とするとラム川の長さは530km、チャンニン(Trấn Ninh、シエンクワン)高原のナムモー(Nậm Mô)川を源流とすると432kmとなる。この川の流域面積は27,200km²で、そのうち17,730km²がベトナム領内にある。
川筋全体の平均で見ると、ラム川の標高は294m、平均勾配は18.3%。河川密度は0.60km/km²。ベトナム・ラオス国境からクアラオ(Cửa Rào)までは河床の勾配が急で、100を超える早瀬や滝がある。クアラオより下流では、増水期に小型船が航行できる。総流量21.90km³は年間平均流量毎秒688m³、年間比流量25.3 l/s.km²に相当する。年間平均流量はクアラオで毎秒236m³、ズア(Dừa)で毎秒430m³。6月から11月までの洪水期は雨季でもあり、年間総流量の約74~80%を占める。
6. ロー川(Lô)

ロー川のベトナム国内区間の長さは274kmだ。
ロー川は紅河左岸の一次支流で、中国からベトナムのハザン(Hà Giang)、トゥエンクアン(Tuyên Quang)、フートの各省へ流れる。ベトナム国内区間の長さは274km(資料によって264kmから277kmまで差がある)で、ベトナム北部で最も長い五つの川(ホン、ダー、ロー、カウ、ダイ)の一つだ。
ヴィエットチーの合流点からトゥエンクアン省のトゥエンクアン港までの156kmの区間では、積載量100~150トンの船舶が両季節とも航行できる。トゥエンクアン市からハザン市までの区間では、雨季に小型船が輸送に参加できる。
7. メコン川

メコン川は中国のチベット(青蔵)高原に源を発する。
メコン川は世界最大級の川の一つで、青海省にあるチベット(青蔵)高原に源を発し、中国、ラオス、ミャンマー、タイ、カンボジアを流れ、ベトナムで東海に注ぐ。長さは4,350kmで世界12位、流量では世界10位。平均流量は毎秒13,200m³で、洪水期には毎秒30,000m³に達することもある。流域面積は約795,000km²(メコン川委員会のデータによる)。この川は青海省の高山地帯を発し、チベットを越え、雲南省(中国)を縦断し、ミャンマー、タイ、ラオス、カンボジアを経てベトナムに入る。
プノンペンから二つの支流に分かれる。右側はバサック川(ベトナムではハウザン=Hậu Giang、またはハウ川と呼ばれる)、左側はメコン川(ベトナムではティエンザン=Tiền Giang、またはティエン川と呼ばれる)で、いずれもベトナム南部の広大なデルタ地帯に流れ込み、それぞれの長さは約220~250km。ベトナムではメコン川はロン(Lớn)川、カイ(Cái)川とも呼ばれる。
世界自然保護基金(WWF)によると、科学者たちはメコン川で、ハマギギ類、ナマズ、巨大な淡水エイ、ダツ、大型の肉食性コイ類などの生き物を探している。これらの魚は体重が90kgを超え、体長が1.80mを超えることもある。さらにメコン川には希少なバガリウス属(Bagarius、cá chiên)やヘミバグルス属(Hemibagrus、cá lăng)のナマズ、そしてカトロカルピオ・シャメンシス(Catlocarpio siamensis、cá hô)や巨大なコイもすんでおり、釣り観光が非常に盛んだ。
8. チャイ川(Chảy)

チャイ川の流れは非常に複雑で、川幅が狭く深く、急斜面で早瀬や滝が多い。
チャイ川はベトナム北部の川で、ハザン省北西部のチャイ川源流の山塊にあるタイコンリン(Tây Côn Lĩnh)峰(2,419m)の南西斜面とキエウリエンティ(Kiều Liên Ti)峰(2,402m)の北東斜面に源を発し、ラオカイ省、イエンバイ省を越えて、フート省ドアンフン(Đoan Hùng)でロー川に注ぐ。長さは319km。
川の流れは非常に複雑で、川幅が狭く深く、急斜面で早瀬や滝が多い。ハザン省内では、川は東から西へヴィスエン(Vị Xuyên)、ホアンスーフィー(Hoàng Su Phì)、シンマン(Xín Mần)の各県を流れ、ラオカイ省シマカイ(Si Ma Cai)県を通る。この区間では、チャイ川の約5kmがラオカイ省と中国雲南省の間のベトナム・中国国境となっている。
チャイ川はエコツーリズムを好む人にとって素晴らしい自然の景勝地だ。渇水期には川の最も深い場所でも約3mしかなく、鉄製の船に乗って思う存分川を遡りながら観光できる。両岸にはモン族、ザオ族、ザイ族などの素朴な家々が点在する……。時には砂を採取する竹いかだがゆらゆらと浮かんでいるのに出会うこともあり、遠くにはバックハー(Bắc Hà)へ向かう道が、山腹に白い石灰の筋のように架かっている。
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