なぜ眠っている間は音が聞こえないのか
睡眠中も耳は普段どおり働き続けているが、脳はフィルターのような役割を果たし、その音に反応して目を覚ますか、そのまま眠り続けるかを決めている。
目を覚ました場合は、後でその音を聞いたことを思い出せるかもしれないが、目を覚まさなかった場合は、何も聞かなかったのと同じことになる。
これは特別な仕組みで、眠っている間に周囲で起こるあらゆることで起こされないよう、睡眠を守ってくれている。
しかし、体が外の世界に対して完全に「扉を閉ざす」わけではない。そうなればかえって非常に危険だからだ。

周囲で音がしたとき、目を覚まさせるか眠り続けさせるかは脳が決めている。
脳は大きな音に反応する
大きな音は小さな音よりも目を覚ましやすい。たとえば、夜中に誰かが硬い物を床に落とした音にはびっくりして目が覚めやすいが、周りを飛ぶ蚊のブーンという音には気づかずに眠り続けてしまう。

大きな目覚まし時計の音は、耳元のささやき声よりも目を覚ましやすい。
起こされるかどうかは音の種類にもよる
普段と違う音や重要な音も、目を覚ましやすい。
脳は普段と違う音を脅威と判断し、その危険を私たちに知らせる。これにより、必要なときに身を守るか逃げるかを判断できる。
今のような家がなく、トラやライオンなど多くの肉食動物に囲まれて野外で眠っていた祖先にとって、この仕組みがどれほど重要で、身を守るうえで役立っていたかを想像してみてほしい。
幸い、現代の私たちは原始時代の祖先のような心配をする必要はなくなったが、この防御の仕組みは、眠っている間に大きな音や聞き慣れない音がしたとき、何か行動すべきかどうかを判断するうえで今も大いに役立っている。
脳はまた、自分の名前など重要だと判断した音にも反応して体を目覚めさせることができる。私たちは他人の名前よりも、自分の名前を呼ばれたときのほうが目を覚ましやすい。

誰かに名前を呼ばれるなど、脳がその音を重要だと判断すると目を覚ましやすくなる。
深い眠りのときは?
私たちの睡眠は、浅い眠りと深い眠りが交互に続く周期で構成されている。睡眠時間の長さにもよるが、一晩にこうした周期を約5~6回繰り返す。
浅い眠りの段階では、深い眠りのときよりも目を覚ましやすい。一般に、夜の前半は眠りが深く、後半になるほど浅くなる。そのため、夜明けを迎えたころにニワトリが鳴くとすぐに目を覚ます一方、それ以前は深い眠りの段階にあったため、脳がその鳴き声を無視し、ぐっすり眠り続けていたというわけだ。
体は人それぞれ
音に対する敏感さは人によって異なる。
騒音に敏感でない人なら、眠っている間に家族が話していても目を覚まさないかもしれない。しかし音にとても敏感な人は、周りでひそひそ話をされると非常に不快に感じ、眠れなくなってしまう。
音に敏感な人ほど、脳も目を覚まさせる判断を下しやすい。
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