なぜバインチュンはネギの甘酢漬けと一緒に食べるのか?
ご存じだろうか。さわやかな酸味と濃厚な脂のうまみとの絶妙で調和のとれた組み合わせこそが、バインチュン(bánh chưng)をいっそう魅力的にしているのだ。
テト(旧正月)が来るたびに、ベトナム人の誰もが思い出すのが対句"脂身の肉、ズアハイン、赤い対聯/ネウの竿、爆竹、緑のバインチュン".
現在では、 「ネウの竿」や「赤い対聯」はあまり見られなくなり、「爆竹」もずっと前に禁止されたが、「脂身の肉、ズアハイン、緑のバインチュン」 はこれからも受け継がれ、ベトナムの各家庭の祖先供養の膳に欠かせないものであり続けるだろう。

ベトナムのテトのごちそう。
では、なぜベトナム北部の人々はバインチュン(四角いちまき)をズアハイン(dưa hành、ネギの甘酢漬け)と一緒に食べ、南部の人々はバインテト(bánh tét、円筒形のちまき)をラッキョウ(củ kiệu)の漬物と、中部の人々はズアモン(dưa món、野菜の漬物の盛り合わせ)と合わせるのか、疑問に思ったことはないだろうか。以下の記事でその答えを明かそう。
バインチュンやバインテトといえば、そのおいしい風味がすぐに思い浮かぶ。もち米、豚肉、緑豆、塩、こしょうなどをゾン(lá dong)の緑の葉で包み、柔らかくなるまでゆでて、しっかりと押し固めることで独特の味わいが生まれる。
しかし医学の専門家によると、 バインチュンやバインテトは高エネルギーの食べ物で、糖質、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルを含んでいる。
ひと切れ(1個の8分の1)の栄養価は、おかず付きのご飯を茶わん1杯しっかり食べたのとほぼ同じだ。エネルギーが豊富な一方で、食物繊維は不足している。

バインチュンやバインテトは高エネルギーの食べ物だ。
ベトナム料理は常に味の調和とバランスを重視するため、バインチュンや脂身の肉の濃厚でこってりした味わいには、さっぱりとして酸味のあるズアハイン、ラッキョウ、ズアモンが欠かせない。
それだけでなく、これらの漬物は食物繊維を補ってくれる。さらに、ズアハインやラッキョウのほどよい酸味と軽い辛み、香りは他の料理の味を引き立て、バインチュンやバインテトのようなたんぱく質や脂質の多い食べ物を食べる際に消化を助けると昔から考えられている。

ズアハインやラッキョウは、たんぱく質や脂質の多い食べ物を食べる際に消化を助けると考えられている。
バインチュンとズアハインはたくさん食べてもよいのか?
完璧な組み合わせで、どの家庭でも愛される料理だが、たくさん食べてもよいのかと疑問に思う人も多い。
栄養の専門家は、バインチュンやバインテトをズアハインやラッキョウと一緒に食べ過ぎないほうがよいと指摘する。これら2つの食品に含まれる脂質と塩分は、胃酸の分泌を増やし、腹部膨満感や胸やけ、消化不良を起こしやすくするなど、健康に害を及ぼす可能性があるからだ。
エネルギー、たんぱく質、脂質、塩分の取り過ぎは心血管の健康に悪影響を及ぼすおそれがある。そのため、テトの期間中は食物繊維の豊富な食品を多く取り、脂っこいものや甘いものを控えて、健康な体で正月を楽しもう。
このように、テトにバインチュンとズアハインを食べるのは、古くから受け継がれてきたシンプルな組み合わせだ。そこには、色彩の調和だけでなく、バランスのよい食事にもかなう見事な組み合わせという、ベトナムの食文化の美しさが表れている。

