半分シカ・半分ネズミの動物、ベトナムで30年近くぶりに再発見
半分シカ、半分ネズミのような姿をした小さな動物が、ベトナム南部で姿を消したと考えられてから30年近くを経て再び確認された。この発見に世界中の生物学者が沸いている。
トラグルス・ウェルシコロル(Tragulus versicolor)、別名ベトナムマメジカは、ベトナムとロシアの研究チームが狩猟者から死骸を入手したのを最後に、25年以上記録が途絶えていた。
「長い間、この種は私たちの想像の中にしか存在しないように思えた」と、ベトナム人生物学者で、国際NGO「グローバル・ワイルドライフ・コンサベーション」の提携保全科学者であるアン・グエン(An Nguyễn)氏は語った。

ベトナムマメジカ(Tragulus versicolor)。
「この発見は、二度とこの種を失わないようにするための第一歩にすぎない。最善の保護方法を早急に見つけ出したい」とアン氏は声明で述べた。
グローバル・ワイルドライフ・コンサベーション(GWC)がまとめた「最も探索が望まれる失われた25種」のリストに含まれていたこのマメジカについて、科学者らは生息地の喪失と狩猟の犠牲になったと考えていた。ベトナムではマメジカは保護対象種であり、保護対象の野生動物を狩猟、取引、消費することは違法である。
この発見の詳細は、月曜日に科学誌「Nature Ecology & Evolution」に掲載された。
研究チームは、ベトナム中南部カインホア(Khánh Hòa)省の海辺の都市ニャチャン(Nha Trang)近郊で村人や森林警備隊員に聞き取りを行った後、住民がマメジカを見た可能性があると話した場所に5カ月間カメラトラップを設置した。
その結果、この非常に小さなマメジカの写真275枚が得られた。チームはさらに同じ地域に29台のカメラを追加設置し、今度は5カ月間で1,881枚の写真を記録した。
GWCによると、このマメジカは科の中で最も小さい有蹄類で、臆病で単独で暮らし、ひづめの先で歩く習性があり、小さな2本の牙を持つ。体重は通常4kg未満だ。
この動物は1910年、ニャチャン周辺で4体の標本が採集された際に初めて科学的に記載された。その後、1990年にベトナム中部で地元の狩猟者から1頭が押収されるまで、科学的に確認された記録はなかった。

このマメジカは科の中で最も小さい有蹄類で、臆病で単独で暮らす。
「この種についてはほとんど何も知られていなかったため、探索は巨大な疑問符のようなものだった。最大の課題の一つは、どこから探し始めるかを決めることだった」と、GWCのアンドリュー・ティルカー(Andrew Tilker)氏は話す。
「候補地は2カ所あり、互いにかなり離れていた。一つは南部、もう一つはずっと北だった。しかし、北部の湿潤な森林には多くの人がカメラを設置しても成果がなかったことが分かっていたため、この種があまり知られていない乾燥林の生息地を探すべきだと考えた」とティルカー氏は説明した。
ティルカー氏によると、今回の発見は、希少で野生下から姿を消したと考えられている種の探索にとって大きな意味を持つという。
「科学界にとっては失われた種だったが、地元の人々は皆この動物を知っていた。地域の生態学的知識を活用したからこそ成功できた。この方法は、世界の他の地域の他の種にも応用できるだろう」と同氏は語った。
ティルカー氏はまた、この種が比較的容易に見つかったからといって、絶滅の危機にないわけではないと警告した。
「今回見つかったマメジカは最後の個体群、あるいはわずかに残る個体群の一つかもしれない。その場合、生存を確保するための保全策を直ちに講じる必要がある」とティルカー氏は述べた。
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