ベトナムに生息する美しいキジ類
ベトナムの野生のキジ類はキジ科に属し、世界各地に広く分布する鳥類のグループだ。多くは中型で、大型や小型の種はごくわずかしかいない。

ハッカン(Lophura nycthemera)。標高500メートル以上の常緑樹の原生林や二次林を好んですむ。科学者や農民は標高500~1000メートル、さらには1200~1800メートルの山頂でも本種に遭遇している。地上で餌を探し、夜は樹上で眠る。(写真:Phùng Mỹ Trung)

セキショクヤケイ(Gallus gallus)。翼長200~250ミリ、体重1~1.5キロの大型の鳥。雄は頭部と首の羽が赤橙色で、背と翼は濃い赤、胸と腹、尾は黒い。雌は雄より小さく、全身がくすんだ褐色をしている。虹彩は褐色または橙黄色、くちばしは角褐色または鉛灰色。とさかと肉垂は赤く、脚は淡い灰色。留鳥で、さまざまなタイプの森林にすむ。焼畑に近い二次林や、つる性のタケ類(ザン)やヌア竹が混じる林を好む。群れで生活し、早朝と夕方の1日2回活動する。夕方になると、高さ5メートル未満で樹冠の大きな木を探して眠る。倒木の多いザンやヌア竹のやぶの中で眠ることを好む。(写真:Tăng a Pẩu)

ロフラ・ディアルディ(Lophura diardi)。成鳥の雄は長さ70~90ミリの冠羽を持ち、通常は直立させている。冠羽は鋼のような光沢のある青黒色。頭部、あご、のどは黒い。背の下部は金属光沢のある黄金色で、腰と尾の上部は鋼青色と赤紫色。そのほかの羽毛は全体的に青みがかっている。成鳥の雌は冠羽を持たないが、頭頂の羽が長い。さまざまな森林や低木地のほか、開けた場所や道沿いでもよく見られ、標高約750メートル以下に分布する。単独または小さな群れで行動し、ベトナム中北部のハティン(Hà Tĩnh)省以南にのみ分布する。ベトナムのレッドデータブックに掲載されている種だ。(写真:Phùng Mỹ Trung)

ベニジュケイ(Tragopan temminckii)。成鳥の雄は燃えるような赤、赤褐色、黒の混じった褐色など、色鮮やかな羽毛を持つ。ほとんどの羽の中央には幅広い灰青色の斑がある。虹彩は褐色、くちばしは黒く、目の周りの皮膚は空色。脚はピンク色。1歳の若い雄は雌に似るが、やや大きい。雌は黒褐色と白のまだら模様で、雄に比べて地味に見える。ベトナムでは通常、北部ラオカイ(Lào Cai)省の標高2000~3000メートルでしか見られない。ベトナムのレッドデータブックに掲載されている。(写真:Dick Daniels)

ハッカンの亜種ロフラ・ニクテメラ・アナメンシス(Lophura nycthemera annamensis)。冠羽は長く、あご、のど、腹面全体が黒い。目立つ特徴は、首の両側に沿って走る幅広い白い帯だ。翼は黒く、白い模様がわずかにある。黒い尾には細い白の横斑が多数ある。虹彩は橙褐色または黄色、くちばしは黒色または角灰色。目の周りの皮膚は鮮やかな赤で、脚は赤紫色。ベトナム南中部の森林、ラムビエン(Lâm Viên)高原(ラムドン省)、プレイク(Pleiku、ザライ省)の北の地域、および南部の北東部に分布する。ベトナム固有の亜種である。(写真:Phùng Mỹ Trung)

ロフラ・エドワルジ(Lophura edwardsi)。成鳥の雄は全体的に濃い青色で、頭頂の冠羽は白い。虹彩は赤橙色、くちばしは淡い黄緑色または角色、脚は赤紫色。ベトナム中部の旧クアンビン(Quảng Bình)省とクアンチ(Quảng Trị)省(現在はともにクアンチ省)の間にある石灰岩の山の周辺の密林で、標高50~200メートルの二次林で初めて発見された。ベトナムのレッドデータブックに掲載されている種だ。(写真:Phùng Mỹ Trung)

