ベトナムでサシガメの新種2種を発見
ベトナム・ハノイの生態・生物資源研究所(Viện Sinh thái và Tài nguyên sinh vật)の研究者らが、遺伝子配列解析と形態分析により、科学的に未知だったサシガメ2種を発見した。
新種は、トゥアティエンフエ(Thừa Thiên Huế、現フエ市)、旧クアンナム(Quảng Nam)省(現ダナン市)、ザライ(Gia Lai)省、ダクラク(Đắk Lắk)省で見つかったSycanus thuathienhuensis Truong & Haと、ベトナム中部高原のダクラク省で見つかったSycanus taynguyenensis Truong & Haの2種。研究は国家科学技術開発基金(NAFOSTED)の支援を受けたプロジェクトの一環として行われ、学術誌Zootaxaに掲載された。
研究チームは採集した標本をもとに、形態の比較分析とCOI遺伝子配列に基づく系統解析を行い、新種と判断した。
研究チームによると、Sycanus thuathienhuensis Truong & Haは体が朱色で、爪状部(clavus)は暗褐色、雄のピゴフォア(生殖節)は黄褐色で、腹面中央部は暗褐色または黒褐色を呈する。

Sycanus thuathienhuensis Truong & Ha(写真:研究チーム)
Sycanus taynguyenensis Truong & Haは体が大きく、淡い橙褐色。頭部は長くほぼ黒色で、複眼の外側に黄褐色の斑がある。結合板(connexivum)は基部が黒褐色で、黄褐色と黒褐色が交互に並ぶ。

Sycanus taynguyenensis Truong & Ha(写真:研究チーム)
ベトナム科学技術アカデミー(VAST)によると、今回の発見はベトナムの生物多様性の潜在力を評価するうえで非常に重要であり、特に農林業の害虫防除にサシガメを活用する可能性を示すものだという。
サシガメのSycanus属(Sycanus Amyot & Serville, 1843)には72種が知られ、アフリカとアジアに分布する。このうちSycanus atrocoeruleus Signoret, 1862、S. bifidus (Fabricius, 1787)、S. croceus Hsiao, 1979、S. falli Stål, 1863、S. minor Hsiao, 1979、S. rubricatus Stål, 1874、S. sichuanensis Hsiao, 1979、S. ventralis Distant, 1919の8種がベトナムで記載・記録されている。
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