ベトナム・プールオン自然保護区で希少植物3種の保全・増殖
希少で貴重な植物の分布の現状を評価し、脅威を特定して遺伝資源の保全計画を策定するため、ベトナム北中部タインホア(Thanh Hóa)省のプールオン(Pù Luông)自然保護区管理委員会は、「プールオン自然保護区(タインホア省)における希少・貴重植物3種ガルシニア・ファグラエオイデス、ケファロタクス・マンニイ、カメリア・プレウロカルパの分布現状調査・評価および保全計画策定(2021~2024年)」と題するプロジェクトを実施した。

プールオン自然保護区のカメリア・プレウロカルパ(Camellia pleurocarpa)の葉。(写真:TTXVN)
プロジェクトチームはプールオンの森林でガルシニア・ファグラエオイデス130本、ケファロタクス・マンニイ25本、カメリア・プレウロカルパ120本を確認し、これを基にこれらの貴重な樹種の保全・増殖に向けた方針と計画を立てた。
プールオン自然保護区のレー・ディン・フオン(Lê Đình Phương)所長によると、同保護区は総延長217kmに及ぶ47本の調査ルートで、各種の分布と脅威を調査した。同時に3種の生物学的・生態学的特性を詳しく研究し、その結果を基に、保護区の緩衝地帯と核心地域にガルシニア・ファグラエオイデス、ケファロタクス・マンニイ、カメリア・プレウロカルパを対象とした12本のモニタリングルートと30カ所の標準モニタリング区画を設置した。

プールオン自然保護区のガルシニア・ファグラエオイデス(Garcinia fagraeoides A. Chev.)の果実。(写真:TTXVN)
森林保護官は住民に啓発用のチラシ1500枚を配布し、保護区の緩衝地帯にある村の中学校・小学校の教員を対象に、生物多様性の保全に関する意識向上研修を行った。また保護区職員20人を対象に、ガルシニア・ファグラエオイデス、ケファロタクス・マンニイ、カメリア・プレウロカルパの識別・調査・モニタリング技術と、3種の詳細な保全計画の策定に関する研修も実施した。
プールオン自然保護区管理委員会は現在、3種の生態学的特徴を次のように把握している。
- ガルシニア・ファグラエオイデス:海抜465~1041メートルに分布し、成木は130本。
- ケファロタクス・マンニイ:石灰岩の山地の海抜741~1234メートルで確認され、成熟個体は25本。
- カメリア・プレウロカルパ:成木120本が確認され、海抜184~1009メートルに分布する。

カメリア・プレウロカルパ。(写真:TTXVN)
調査結果が出るとすぐに、森林保護官はガルシニア・ファグラエオイデス200本、ケファロタクス・マンニイ150本、カメリア・プレウロカルパ200本を増殖し、保護区内の特別用途林0.83ヘクタールに補植した。このプロジェクトにより、プールオン自然保護区管理委員会は森林資源の保護、植生の回復、森林被覆率の向上、土壌の保全、環境の質の改善を進めることができる。また、プールオンの森林に生育する希少樹種の個体群を保全・拡大するための対策づくりにも役立つ。
プールオン自然保護区管理委員会によると、ガルシニア・ファグラエオイデス(Garcinia fagraeoides A. Chev.)は高さ35メートルに達する高木で、幹は円く比較的まっすぐ、葉の長さは17cm。果実は細長い楕円形で長さ2~3.5cm、熟すと果皮が緑色から淡黄色に変わる。貴重な木材として建築や造船、彫刻に使われ、花も美しいことから公園や街路、邸宅の庭の観賞樹としても植えられる。国外では主に中国に生育する。
ベトナム国内では、カオバン(Cao Bằng)、ランソン(Lạng Sơn)、ゲアン(Nghệ An)、タインホアの各省に多く生育する。

タインホア省プールオン自然保護区のケファロタクス・マンニイ(Cephalotaxus mannii Hook. f.)。(写真:TTXVN)
ケファロタクス・マンニイ(Cephalotaxus mannii Hook. f.)は高さ2~20メートルで、幹は円柱状。種子は外皮に完全に包まれている。球花の時期は1~3月で、種子は翌年の9~12月に熟す。木本で、材は建築、特に高級家具の製作に用いられる。国外ではインド、中国、ミャンマー、タイに生育する。
ベトナム国内では、タインホア、ソンラ(Sơn La)、ハザン(Hà Giang、現在はトゥエンクアン省の一部)、カオバンなどの各省に多く生育する。

タインホア省プールオン自然保護区のカメリア・プレウロカルパ(Camellia pleurocarpa)。(写真:TTXVN)
カメリア・プレウロカルパ(Camellia pleurocarpa (Gagnep.) Sealy)は小高木で、幹は均一な円形ではなく、葉は単葉で互生し、果実は淡黄色の蒴果。ほぼ一年中花を咲かせるが、最盛期は12月と1月で、果実は7~8月に多く熟し、熟すと淡黄色になる。希少な薬用植物の遺伝資源で、枝や葉はリウマチの治療に伝統的に用いられ、産後の女性の滋養のために煎じて飲まれることも多いが、治療法として確立されたものではない。国外ではタイで生育が確認されている。
ベトナム国内ではタインホア省とザライ(Gia Lai)省で確認されている。
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