ベトナムの研究者、極めて希少なベゴニアの新種を発見
ベトナム国立自然博物館(Bảo tàng Thiên nhiên Việt Nam)のドー・ヴァン・チュオン(Đỗ Văn Trường)博士によると、ベトナム中部高原のターダン(Tà Đùng)国立公園で、これまで知られていなかった学術的に価値のある植物が見つかった。美しい茎と鮮やかで印象的な花を持つベゴニアの新種だという。
チュオン博士によると、このベゴニアの新種は、ベトナム国立自然博物館、ベトナム科学技術アカデミー(Viện Hàn lâm Khoa học & Công nghệ Việt Nam)、中国の北京植物園の植物学者らが、旧ダクノン(Đắk Nông)省(現ラムドン省)にあるターダン国立公園で植物多様性の現地調査を行った際に発見された。

ベゴニアの新種は、美しい姿と色鮮やかな花を持つ貴重な遺伝資源だ。
土砂降りの雨の中、森を進んでいた研究者らは、中部高原(タイグエン)の広大な森林の葉陰にひっそりと生えるこの新種のベゴニアを見つけた。
発見から発表までの15カ月を経て、この新種は「ターダン・ベゴニア」(Thu hải đường Tà Đùng)、学名Begonia tadungensis T.V.Doと命名された。
このベゴニアは、茎、葉、花、果実の形や色がいずれも美しい。具体的には、葉身は広卵形で、葉の裏面は滑らかだ。雌花には6枚の花弁があり色が美しく、液果は灰色の毛に密に覆われている。色彩が美しいことから、観賞用植物としての利用が期待できる。

新種のベゴニアは中部高原の森林の林冠の下で見つかった。
チュオン博士はさらに、美しい花であるだけでなく、この新種の発見は保全上の警鐘でもあると指摘する。この種は、コーヒー農園や果樹園などのための森林伐採で大きな影響を受けている森林地帯に分布しており、絶滅の危機にさらされているためだ。

新種のベゴニアは人間活動による大きな圧力を受けている。
「この種は野生の個体群が小さく、地元住民によるコーヒー栽培の拡大で生息地が失われ、大きな圧力を受けている。そのため、暫定的に深刻な危機(CR)と評価した」と、チュオン博士は懸念を示した。
注目すべきは、チュオン博士によれば、新種のベゴニアが「危機」に直面しているという話は、ベトナムの他の多くの貴重な生物にも当てはまるということだ。
ベトナムは世界有数の生物多様性の高い国で、既知の動物は1万9000種近く、植物は1万4000種近くに上る。毎年数百もの新種がベトナムから発見されており、この数は今も増え続けている。
しかし、多くの新種は発見後、研究・保全・活用の面で十分な関心を向けられていない。特に、食料や食品、医薬品の原料、機能性食品などとして生活に応用できる可能性を持つ希少種でその傾向が強い。関心が払われなければ、これらの新種は脅かされ、永遠に姿を消してしまう恐れもあり、極めて憂慮すべき事態だ。
| ベゴニア(シュウカイドウ属)は、2000種以上を擁する植物の10大属の一つだ。この属の植物は地生(まれに着生)の草本または小低木で、中南米、アフリカ、南アジアの湿潤な熱帯・亜熱帯地域に生育する。 ベゴニアの花の色は白、ピンク、鮮紅色、紫、黄色と多彩だ。花色が鮮やかで、茎や葉の形も美しく印象的なため、多くの種が観賞用に栽培されている。 現在ベトナムでは、花色が豊富で茎が美しく、早く花を咲かせることから、ベゴニア類は観賞植物として非常に人気がある。花卉・観葉植物の市場では、さまざまなベゴニアが販売されている(呼び名は「トゥーハイドゥオン(thu hải đường)」や、葉がハスの葉によく似ていることから「センカン(sen cạn、陸のハスの意)」などがある)。 |
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