笑顔は人を信頼できる存在に見せるのか
眼輪筋(まばたきをつかさどる筋肉)や頬骨筋(口角を引き上げる筋肉)といった特定の顔の筋肉を使う本物の笑顔は、社交辞令の笑顔(作り笑いとも呼ばれる)よりも信頼できると受け止められている。
笑顔とは何か。口角が上がり、前歯がわずかにのぞく表情のことだ。笑顔は重要なコミュニケーション手段であり、前向きで楽しい感情を伝える傾向がある。そのため、柔らかく、優しく、魅力的な笑顔を見るのが嫌いな人はまずいないだろう。

笑顔は重要なコミュニケーション手段だ。
笑顔と信頼の関係
先史時代の人類は集団で暮らしており、集団(あるいは部族)が強いほど生き残る可能性は高まった。集団を強く安定したものにする簡単な方法は、メンバー同士の信頼を高め、一人ひとりが自分の役割をしっかり果たせるようにすることだった。この信頼を築いたのが笑顔である。笑顔は、その人がほかのメンバーに危害を加えるつもりがないことを集団に伝えた。現代でも、友人や家族との関係において、よく笑う人は笑わない人より信頼されやすい。
最近のある研究では、性別も信頼と笑顔の関係に影響し得ることが分かった。それによると、よく笑う女性は、同じようによく笑う男性よりも信頼できるように見えるという。
ただし注意すべきなのは、単に笑う回数を増やすだけでは信頼される人にはなれないという点だ。実際、笑いすぎる人を不気味だと感じる人も多い。その理由は、どう笑うかも非常に重要だからだ。他人の信頼を得るには、笑顔が作り物ではなく本物に見えなければならない。

本物で信頼を生む笑顔は本能的に生まれるものであり、意図的な行為ではない。
本物の笑顔、つまり正直な笑顔や心からの笑顔とは、自然に生まれる笑顔のことだ。こうした笑顔の特徴は、特定の顔の筋肉、すなわち眼輪筋(まばたきをつかさどる筋肉)と頬骨筋(口角を引き上げる筋肉)が使われることにある。
簡単に言えば、本物で信頼を生む笑顔は本能的に生まれるものであり、意図的な行為ではない。誰かがそんな笑顔を向けてくれると、私たちも心から笑顔を返す。
本物の笑顔の対極にあるのが社交辞令の笑顔だ。多くの人が人付き合いの場で使う笑顔である。苦手な人に会ったときや、忘れたい過去の元恋人に出くわしたとき、私たちは幸せだからではなく礼儀として笑う。こうした笑顔は無理をしたもので、自然ではない。
笑顔はどこまで信頼できるか
前述のように、他人の信頼を得るには笑い方が非常に重要だ。しかし、それ以外のボディーランゲージも同じくらい重要である。
研究によると、笑っているときに目が赤く怒りを示していると、信頼できない印象を与えるという。さらに、笑っていてもボディーランゲージが友好的でなければ、やはり信頼されない。典型的な例が映画「IT」のピエロだ。このキャラクターは映画の最初から最後までずっと笑みを浮かべているが、決して信頼できる存在ではない。

映画「IT」のピエロは作中ずっと笑っているが、決して信頼できる存在ではない。
反対に、親しみのある目と明るい表情で笑えば、ずっと信頼できる人に見える。人と接するときにいつも親しみやすさや気さくさを感じさせる人がいるが、それは感じの良い顔立ちと友好的な笑顔のおかげだ。
このように、笑顔は人をより信頼できて親しみやすく見せることができる。ただし、どう笑うかも非常に重要だ。表情が明るいほど、その人は信頼できるように見え、親しみやすく温かい印象を与える。

