東南アジア最大の火山洞窟群で先史時代の人骨が多数出土
考古学者と地質学者による地道な発掘の結果、東南アジア最大の火山洞窟群であるチューブルク(Chư Bluk)洞窟群から、数十体分の古代人骨が見つかった。洞窟群はベトナム中部高原の旧ダクノン(Đắk Nông)省(現ラムドン省)旧クロンノー(Krông Nô)県にある。

C6-1洞窟の調査団
ベトナム考古学会のグエン・ラン・クオン(Nguyễn Lân Cường)事務局長(准教授・博士)は2019年8月15日、記者の取材に対し、チューブルク火山洞窟群の先史時代人骨の発見成果は2カ月後に正式に発表すると述べた。

3体目に見つかった埋葬人骨
ただし同氏は現時点で、中部高原(Tây Nguyên)の火山洞窟での古代人骨の発見は、ベトナムの古人類学にとって大きな成果であり、ベトナム人科学者による重要な発見だと明言した。

上顎第3大臼歯。中部高原で初めて見つかった古代人骨
2007年末、ベトナム国立自然博物館のラ・テー・フック(La Thế Phúc)博士が、地元の観光ガイドのグエン・タイン・トゥン(Nguyễn Thanh Tùng)さんとともに、クロンノーで一連の火山洞窟を発見した。

C6-1洞窟内で記者の取材に応じるグエン・ラン・クオン准教授
それから7年後、この発見に関する研究プロジェクトがようやく正式に始まった。「洞窟遺産の価値に関する研究と、中部高原における博物館建設・現地保存の提案――ダクノン省クロンノーの火山洞窟を例に」と題するもので、ベトナム科学技術アカデミー傘下のベトナム国立自然博物館が主管した。ラ・テー・フック博士がプロジェクト責任者、グエン・チュン・ミン(Nguyễn Trung Minh)准教授が副責任者を務めた。

さらに見つかった人骨
プロジェクトが考古学に関わるため、同博物館長のグエン・チュン・ミン准教授は、ベトナム考古学会の研究者数人に参加を呼びかけた。

考古学調査は非常に細かく、骨の折れる作業だ
C6-1洞窟で研究者らが最初に見つけたのは、膝を抱えて座った姿勢で埋葬された先史時代の4歳の女児の人骨だった。そこから遠くない場所では、改葬の痕跡がある別の人骨も見つかった。四肢の骨は箸ほどの細さしかなく、復元作業は細心の注意を要した。
手足の指の骨は黒豆ほどの小ささで、頭蓋骨は100以上の破片に割れていた。米国とロシアで行われた最新の放射性炭素(C14)年代測定によると、この墓は約6100年前のものだという。

70代、中には80歳近い研究者が発掘坑のすぐ脇で疲れ果てて昼寝をする
2018年までに、C6-1洞窟では人骨を伴う墓3基が見つかり、発掘坑からは少なくともさらに10体分の痕跡が確認された。内訳は新生児5体、少年少女1体、成人4体である。

復元前の先史時代の4歳女児の頭蓋骨片
2019年乾季にC6-1洞窟で行われた最新の発掘では多くの新たな発見があり、特に重要なのは、先史時代の人々に特有の埋葬様式である屈葬(膝を抱えた姿勢)の成人骨2体を完全な形で発掘したことだ。これは、中部高原に暮らした古代人の人種的系統という、これまで答えが出ていなかった問いを解明するための確かな手がかりとなる。

暗く深い洞窟で、年齢も天候も忘れて黙々と作業する考古学者たち
「米国、中国、日本、オーストラリア、インドネシアなど海外の研究者にも意見を求めたが……いずれも火山洞窟で古代人骨が見つかった例はないと話した。火山洞窟での先史時代人骨の発見は世界でも前例がない」とグエン・ラン・クオン准教授は語った。

考古学調査の成果発表までに、これらの洞窟ではまだ多くの困難な作業が残っている
ハノイのタンロン皇城で前期黎朝の宮殿の痕跡を発見
ハノイのタンロン皇城・敬天殿東側で2017年に行われた発掘で、厚さ4.5mの文化層と前期黎朝の宮殿の釉薬瓦が見つかった。
タンロン皇城の地下から巨大な水路を発見
ドアンモン門付近でリー、チャン、レー、グエン各王朝の遺構が重なって出土し、ベトナムでは前例のない巨大なれんが造りの水路も見つかった。
古代ローマの下水道と人骨、ヘルクラネウムで発見
イタリアのヘルクラネウムで全長86mの下水道と人骨が見つかり、2000年前のローマ人の食生活や暮らしの解明につながると期待されている。

