ベトナムでモクズガニ類「エリオケイル・ヘプエンシス」を確認
ベトナムでは、エリオケイル・ヘプエンシスはカーラー(cà ra)、クアロン(cua lông)、クアザー(cua da)など、省ごとに地元の人々によってさまざまな名前で呼ばれている。

エリオケイル・ヘプエンシス(Eriocheir hepuensis)。
英国自然史博物館生命科学部門のポール・F・クラーク(Paul F. Clark)氏、ベトナム科学技術アカデミー傘下の熱帯生物学研究所(Viện Sinh học Nhiệt đới)の動物研究者ゴー・ヴァン・チー(Ngô Văn Trí)氏、トルコの研究者、そしてシンガポール国立大学リー・コンチェン自然史博物館(Lee Kong Chian Natural History Museum)の研究者らは、モクズガニ類の一種Eriocheir hepuensis Dai 1991(モクズガニ科Varunidae)を確認したと発表した。これにより、ベトナム北部に外来・侵略的なチュウゴクモクズガニ(Eriocheir sinensis)、あるいはモクズガニ(Eriocheir japonica)が分布するとした一部の研究者による過去の誤った記録が訂正された。
この研究は専門誌Crustaceana 96(5)の2023年5月号に掲載された。この種の自然分布域は、ベトナム北部のクアンニン(Quảng Ninh)、ランソン(Lạng Sơn)、バクザン(Bắc Giang、現在はバクニン省の一部)、バクニン(Bắc Ninh)からタインホア(Thanh Hóa)にかけて広がっている。
地元住民によると、この種は性成熟すると川を下って汽水域や海へ移動して繁殖し、幼生は沿岸の海流に乗って漂う。稚ガニは川や渓流の岩場まで遡上し、そこで成長して性成熟する。
世界にはほかにモクズガニ属の3種が知られている。チュウゴクモクズガニ(Eriocheir sinensis H. Milne Edwards, 1853)、モクズガニ(E. japonica (De Haan, 1835))、オガサワラモクズガニ(E. ogasawaraensis Komai et al, 2006)である。
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