ベトナム・サオラ自然保護区の希少動物たち
2023年以降、ベトナム中部フエ市(旧トゥアティエン・フエ省、Thừa Thiên Huế)のサオラ(Sao La)自然保護区で設置された自動撮影カメラにより、39種の動物が確認された。その多くは希少種や深刻な絶滅危惧種だ。
サオラ自然保護区はフエ市(旧トゥアティエン・フエ省)の南西部に位置し、面積は15,303.39ヘクタール。中部チュオンソン(Trung Trường Sơn、中部アンナン山脈)地域に残る天然の原生林を含んでいる。
森林被覆率は90%を超え、同地域で最も生物多様性が高い場所の一つとされる。世界で最も希少な大型哺乳類の一つで、近絶滅種に分類されるサオラの生息地でもある。

テナガザルの鳴き声を録音するサオラ自然保護区の職員。群れの数や雄・雌の個体数を把握し、監視・保全計画に役立てる。
サオラ自然保護区は現在、多くの希少な動植物の「共通の住まい」となっている。具体的には、哺乳類42種、両生類・爬虫類84種、鳥類139種、魚類54種などが確認されており、その多くがベトナムのレッドデータブックやIUCNレッドリストに掲載されている。植物は1,114種が記録されている。
2023年以降、同保護区は153地点に計446台の自動撮影カメラを設置する調査を4回実施した。その結果、39種の動物が確認され、このうち2024年版IUCNレッドリストで近絶滅種(CR)が2種、絶滅危惧種(EN)が1種、危急種(VU)が4種含まれていた。
確認された希少種には、ムンティアクス・トゥルオンソネンシス(Muntiacus truongsonensis)、セロー(カモシカ属)、カンムリセイラン、マレーセンザンコウ、コツメカワウソ、キタブタオザル、ベニガオザル、アカアシドゥクラングールなど
サオラ自然保護区で撮影された希少動物の一部:

センザンコウ。

ベニガオザル。

キエリテン。

アンナンシマウサギ。

ハクビシン。

ヤマウズラの一種(ベトナム名:gà so ngực gụ)。

パームシベット。

キタブタオザル。

ホエジカ。

セロー。

サンバー。

マレーヤマアラシ。
サオラ自然保護区のグエン・タイン(Nguyễn Thanh)所長によると、同保護区は今後もパトロールや生物多様性のモニタリング、森林の変化の追跡に情報技術を活用し、違法伐採を早期に発見・阻止していく。特に、Wildlife Insightsというツールを使って自動撮影カメラのデータを管理・分析し、生物多様性のモニタリングに役立てている。
「サオラやその他の野生動物の存在を記録するため、自動撮影カメラによる調査を実施していきます。また、テナガザルの鳴き声を録音して群れの数や雄・雌の個体数を把握し、今後の効果的な監視・保全計画につなげます」とタイン氏は語った。
保護区の幹部によると、隣接する村の住民を対象とした生計支援のプログラムやプロジェクトを通じて雇用を生み出し、安定した収入を確保することで、森林への負荷を減らしていくという。
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