希少なオウストンパームシベット、繁殖に成功
希少なオウストンパームシベット10頭が、クックフオン国立公園の野生動物保全センターで自然繁殖により誕生した。
6月18日、ベトナム北部のクックフオン(Cúc Phương)国立公園の生物救護・保全・開発センターのレ・チョン・ダット(Lê Trọng Đạt)副所長は、4組のペアから10頭のオウストンパームシベットの子が誕生したと明らかにした。子どもたちは現在生後約1カ月で、健康な状態だという。

生まれたばかりの2頭の子とオウストンパームシベット。(写真:ベトナム野生動物保全センター)
2023年末、当局が野生動物の違法取引から押収した成獣のメス4頭とオス8頭が、ベトナム野生動物保全センター(Trung tâm bảo tồn động vật hoang dã tại Việt Nam)に移され、ペアリングが行われた。 「10頭の子は4頭の母親から自然に生まれ、現在はかなり健康だ。期待以上の成果だ」と、同センターの生息域外保全活動コーディネーター、チャン・バン・チュオン(Trần Văn Trường)氏は語った。
ダット副所長によると、今回はオウストンパームシベットの繁殖成功例として、これまでで世界最大規模だという。
現在、子を含むすべての個体はカメラシステムによって24時間体制で監視されている。また、群れへの人間の影響を最小限に抑えることも最優先事項の一つとされている。

オウストンパームシベットの群れはカメラシステムで24時間監視されている。(写真:ベトナム野生動物保全センター)
2023年、この希少なジャコウネコ類を保全するため、クックフオン国立公園はベトナム野生動物保全センターと協力し、面積1.3ヘクタールの保全繁殖区域を整備した。外周フェンス、繁殖用飼育舎、飼料調理場などの設備も備えている。
このプロジェクトは、少なくとも50頭のオウストンパームシベットを繁殖させて安定的に維持し、野生への放獣に先立って個体群の回復を始めることを目指している。当局は、クックフオンの個体を今後3~4年以内に野生に戻せる可能性があるとみている。
ベトナム野生動物保全センターは、遺伝的多様性を高めるため、ハノイ野生動物救護センターやホーチミン市のサイゴン動植物園(Thảo cầm viên Sài Gòn)などの国内機関や政府機関との協力を進め、さらなる資源の確保に努めている。
オウストンパームシベット(学名:Chrotogale owstoni,)は、美しく生態学的価値の高い小型肉食獣で、野生では非常に希少だ。アジアの小型肉食獣の中で最も分布域の狭い種の一つで、ベトナム、ラオス、中国南部のごく一部にのみ生息する。国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種(EN)に分類され、優先的に保護すべき絶滅危惧種に指定されている。
野生のオウストンパームシベットの個体数は、食用やペット目的の違法な狩猟・取引により深刻に減少している。そのため、 「オウストンパームシベットの保護と回復は、ベトナムおよび世界の生物多様性保全における優先課題となっている」と同センターは述べている。オウストンパームシベットを狩猟、取引、消費することはベトナムでは違法であり、刑事訴追の対象となり得る。
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