ベトナム北部ラオカイ省でキルトダクティルス属ヤモリの新種を発見
新種のヤモリは背中と四肢に黄色い小さな突起(いぼ状鱗)が点在し、各肢の指が中ほどで曲がっているのが特徴だ.
ベトナム科学技術アカデミー傘下の生態・生物資源研究所(Viện Sinh thái và Tài nguyên sinh vật)の研究チームは共同研究者とともに、 キルトダクティルス属の新種のヤモリを発見した。現時点では、ベトナム北部ラオカイ(Lào Cai)省の旧バクハー(Bắc Hà)県でのみ確認されている(ラオカイ省はその後イエンバイ省と合併し、ラオカイの名称を継承)。 この種はCyrtodactylus(キルトダクティルス)属に属し、ベトナムで記録された同属の53番目の種となる。研究成果はこのほど学術誌ZooKeysに掲載された。
科学者らは新種をキルトダクティルス・ルキ(Cyrtodactylus luci)と命名した。これは、ベトナム自然博物館(Bảo tàng Thiên nhiên Việt Nam)の元館長で、ベトナムの生物多様性研究に大きく貢献した動物学者ファム・ヴァン・ルック(Phạm Văn Lực)准教授にちなんだもの。注目すべきは、ラオカイ省で分布が確認された初めてのキルトダクティルス属のヤモリである点だ。

野生で確認されたキルトダクティルス・ルキの雄。(写真: 研究チーム)
キルトダクティルス・ルキの大きさは約89.5mm。目は銅色で、まぶたのような黄色い斑点が縁取り、胴体の中央部には突起が列をなして並ぶ。背面、うなじ、頭部の上面には濃い茶色の斑点がある。DNA解析の結果、新種は他のキルトダクティルス属の種と少なくとも9%の遺伝的差異があることが分かった。
研究チームを代表するグエン・クアン・チュオン(Nguyễn Quảng Trường)教授によると、このヤモリはラオカイ省の石灰岩の森林で行った野生動物の現地調査の中で発見された。新種は、ベトナム国内外のCyrtodactylus属の他の種との形態的・遺伝的な違いに基づいて特定された。
同教授によると、 キルトダクティルス属のヤモリは夜行性で、岩壁や樹上にしがみついていることが多い。そのため科学者らは、分析・研究用の標本を採集するため夜間に森で調査を行った。
キルトダクティルス・ルキは通常、中小の硬木に低木やつる植物が入り混じった石灰岩地の二次林に生息している。

このヤモリは各大腿部の下面に12~15枚の大きな鱗があり、大腿孔は雄で9~12個、雌で5~10個。写真は雌の個体。(写真: 研究チーム)

新種のヤモリは岩壁や樹上に生息し、夜間に活動する。(写真:研究チーム)
チュオン教授は、新種の発見と記載は、ベトナムの生物多様性の潜在力を紹介し、生物に関する科学的情報を補う第一歩だと述べた。研究チームは今後も個体群の状況を評価し、周辺地域での分布を追加で確認するとともに、生物学的・生態学的特徴の研究を続ける。
「この研究は、本種の保全状況を評価し、ベトナムのレッドデータブックやIUCNレッドリストで分類することに役立ち、効果的な保全策の提案につながる」と同教授は語った。
ベトナムで新種のアオガエルとドワーフフロッグを発見
ベトナム北部で新種の両生類、Zhangixalus thaoaeとVietnamophryne aurantifuscaが発見された。
ベトナム・クアンニン省で新種の淡水ガニを発見
ベトナム北東部クアンニン省の生物多様性調査で、一部の島々にのみ分布する新種の淡水ガニ「Chinapotamon insulare」が見つかった。
ベトナムのファンシーパン山で新種のヘビを発見
ベトナム北部ホアンリエン国立公園のファンシーパン山、標高2600メートル地点で新種のヤマカガシ属のヘビ「Rhabdophis hmongorum」が記載された。

