ベトナムのファンシーパン山で新種のヘビを発見
国際チームとベトナムの科学者らが、ベトナム北部ラオカイ省のホアンリエン(Hoàng Liên)国立公園内にあるファンシーパン(Fansipan)山(サパ)の標高2600メートル地点で、新種のヘビを発見した。
ホアンリエン国立公園によると、2023年9月、旧サパ(Sa Pa)市社(ラオカイ省)のホアンリエン高山地帯で、成体の雄1個体の標本に基づき新種のヘビが発見・記載された。

モン・キールバックの頭部のクローズアップ。(写真:ホアンリエン国立公園)
この新種の爬虫類の学名はRhabdophis hmongorum Kane, Tapley, La and Nguyen, 2023、英名はH'mong keelback snake、ベトナム名はRắn hoa cỏ H'môngである。
本種はヤマカガシ属(Rhabdophis)として世界で32番目、ベトナムでは9番目の種となる。
種名はモン(H'mông)族にちなむもので、2017年からファンシーパン山で続く両生類保全プロジェクトで著者らに同行してきたモン族のガイドたちへの感謝を込めて命名された。
今回の成果は、ホアンリエン生物救護・保全・開発センター(ホアンリエン国立公園所属)、ロンドン動物学協会、インド・ミャンマー保全機構(Indo-Myanmar Conservation)、オーストラリア国立博物館が、2022~2027年にホアンリエン山脈の両生類・爬虫類の研究と保全を目的として進める共同事業の一環である。
新種の主な識別上の特徴は次のとおり:体は円筒形で、吻端から総排泄孔までの長さ(頭胴長)は409mm、尾長は106mm。体鱗列数は頸部付近で17列、胴中央で17列、総排泄孔付近で15列である。

モン・キールバックの背鱗。(写真:ホアンリエン国立公園)
腹板は151枚、尾下板は59対で分割している。背鱗には稜(キール)があり、背中央の5列が最も発達している。上顎歯は25本で、最後部の2本が最も大きく長い。全身は灰色がかったピンク色で、目は黒く上部が銅色、顎は灰白色。腹面には虹色の光沢を帯びた淡褐色の鱗が並ぶ。
新種は、上顎歯の数や体鱗の特徴に加え、ミトコンドリアのシトクロムb(cytb)遺伝子の一部領域で約4%の遺伝的差異があることから、同属の他種と区別できる。
中国雲南省紅河州(Honghe, Yunnan)で採集され、遺伝子配列がGenBank(遺伝子データバンク)に登録されていた標本1点が、今回の論文で記載された標本と一致した。

動物分類学誌「Zootaxa」5343巻2号(9月7日発行)で新種として発表されたモン・キールバック。(写真:ホアンリエン国立公園)
このことは、新種の分布域がベトナムに限らず、中国にも及んでいることを示している。
本種の分布域や生活史、生物学的特徴を明らかにするため、今後さらなる研究が必要とされる。
今回の成果は、ホアンリエン国立公園やホアンリエンソン(Hoàng Liên Sơn)山脈における爬虫類の多様性について研究を継続するとともに、野生動物の研究・保全に向けて同国立公園と国内外の機関・団体との協力を強化する必要性を示している。
モン・キールバックの画像は、動物分類学誌「Zootaxa」5343巻2号(9月7日発行)に掲載された。
ベトナムのホアンリエン国立公園でモグラ科の新種を発見
ベトナムと日本の研究者が、ベトナム北部ホアンリエン国立公園のファンシパン山でモグラ科の新種ウロプシルス・ファンシパネンシス(Uropsilus fansipanensis)を発見した。
ベトナムのゴックリン山で極めて美しく希少なイモリの新種を発見
鮮やかな新種のイモリは標高1800mに生息。ベトナムでこれまで知られていたイモリの生息域は標高250~1740mだった。
ベトナム・カッティエン国立公園で新種のホソヤモリ類を発見
暗褐色と白の斑点、灰色の尾を持つ新種ヤモリ「Hemiphyllodactylus cattien」が、ベトナム南部のカッティエン国立公園で発見された。

