ベトナム・カッティエン国立公園で新種のホソヤモリ類を発見
科学者らが、暗褐色と白の斑点、灰色の尾を持つ別種のカッティエン・ヘミフィロダクティルス(ホソヤモリ類)を初めて発見した.
新種のホソヤモリ類は学名Hemiphyllodactylus cattien、ヤモリ科(Gekkonidae)に属し、ベトナム・ロシア熱帯センター(Trung tâm Nhiệt đới Việt - Nga)のレー・スアン・ダック(Lê Xuân Đắc)博士、ニコライ・A・ポヤルコフ(Nikolay A. Poyarkov)氏、プラトン・ユシチェンコ(Platon Yushchenko)氏らの研究チームによって2023年に初めて記載された。研究成果は6月下旬、学術誌Zootaxaに掲載された。

科学者らが発見したカッティエン・ヘミフィロダクティルス。(写真:ベトナム・ロシア熱帯センター)
ベトナム・ロシア熱帯センターによると、カッティエン・ヘミフィロダクティルスは、ベトナム南部のカッティエン(Cát Tiên)国立公園にあるバウサウ(Bàu Sấu、ワニ湖)へ続く遊歩道沿いのフタバガキ科の原生林で、地上1.5 mの木の幹の上で確認された。ベトナムで記載されたHemiphyllodactylus属の種としては8種目となる。Hemiphyllodactylus属の大半の種は高地に限られて生息する固有種だが、この新種は低地に生息している。
カッティエン・ヘミフィロダクティルスは小型の種で、雌の頭胴長は最大35.1 mm、頭部は背面から見ると三角形をしている。ミトコンドリアDNAのND2遺伝子配列の解析から、ラオスのH. indosobrinusやタイのH. flaviventrisと遺伝的に近縁であることが分かった。

新種の標本の分析写真。(写真:ベトナム・ロシア熱帯センター)
研究の筆頭著者であるニコライ・A・ポヤルコフ博士は、この新種の発見はかなり予想外だったと語った。ポヤルコフ博士の研究チームは2021年からカッティエン国立公園で爬虫類と両生類の調査を行っていた。ある現地調査の際、三角形の頭を持つ見慣れない生き物が木から落ちてくるのを偶然見つけたという。DNA解析の結果、これまでに認められていた同属の種とは約20%から24%の遺伝的差異があることが判明した。これにより、科学者らは独立した種として認めることができた。
カッティエン・ヘミフィロダクティルスは「謎が多く、出会うのが非常に難しい種」とされている。研究者らはバウサウ湖へ続く遊歩道沿いで何度も集中的な調査を行い、さらなる標本の収集に努めたが、現在までに採集できた標本は1点のみである。
| カッティエン国立公園はホーチミン市から北東へ約150kmに位置し、動植物が豊かな湿潤な低地林である。総面積は約7万2000 haで、ベトナムにあるユネスコ世界生物圏保存地域の一つとなっている。 |
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