ベトナムのゴックリン山で極めて美しく希少なイモリの新種を発見
印象的な外見に加え、ゴックリン(Ngọc Linh)のイモリは標高1800mに生息している点でも研究者を驚かせた。これまでイモリ類は標高250~1740mでしか見つかっていなかった。
ベトナムとドイツの爬虫類・両生類研究者が、ベトナム中部の高原で新種のイモリを発見し、記載した。

ゴックリンのイモリ(写真:PHÙNG MỸ TRUNG)
新種の学名は ティロトトリトン・ンゴクリンエンシス(Tylototriton ngoclinhensis)。ベトナムにおける有尾目(Caudata)の両生類に関する、極めて意外で興味深い新発見である。
これまでベトナムでは6種のイモリが見つかっていたが、いずれも北部からゲアン(Nghệ An)省までの範囲に限られていた。今回の発表により、今後、クアンビン(Quảng Bình、現クアンチ省の一部)からコントゥム(Kon Tum、現クアンガイ省の一部)にかけての中部地域で、さらに別の新種が見つかる可能性が示された。
学術誌『ZooKeys』で研究チームは、形態と分子生物学の両面で明確な違いが確認されたことから新種と判断したと報告した。この種はティロトトリトン(Tylototriton)属の中で最も色鮮やかな種の一つであり、またベトナム中部高原(Tây Nguyên)で初めて記録されたイモリでもある点で特筆すべき発見だ。生息地の標高は1800mに達する。
今回の発見は、ベトナムで見つかったイモリの生息標高の記録を更新した。これまでに発見された種は、標高250~1740mの範囲にしか分布していなかった。
新種の生息地は最も近いティロトトリトン属の個体群から約370km離れており、進化や動物地理学の面でも重要な発見となった。

ティロトトリトン属の中で最も色鮮やかな種の一つ(写真:PHÙNG MỸ TRUNG)
この種が最初に見つかったのは2018年。爬虫類・両生類研究者のフン・ミー・チュン(Phùng Mỹ Trung)氏は、当時すでに新種であると確信し、ベトナムの有尾目に関して最も興味深い発表になると考えていたという。
しかし、深い谷や高い山で単独調査を何度も重ね、研究に十分な標本を集めて、自ら「極めて美しく、極めて希少」と評するこのイモリの発表にこぎ着けるまでには4年以上を要した。
「中部の高原での調査旅行の後、このイモリの生息場所を見つけました。翌年の雨季まで待ち、成体がペアになって産卵する姿を見つけられることを願っていました。
何より驚いたのは成体を目にした時です。あまりの美しさに、標本を持つ手が震え、自分の目が信じられませんでした。
その数年間、時間や労力、お金のほかにも、この美しく希少な両生類を見つけるために多くのものを犠牲にしました。この興味深い発見を、新種を探す旅の苦しい時期をずっと共にしてくれた人々にささげたいと思います」と同氏は語った。
フン・ミー・チュン氏によると、サンショウウオやイモリは有尾目に属し、地球上に生き残ってきた古い系統の生き物だ。そのゲノムはヒトのゲノムの約8倍(約240億塩基対)に及ぶ。
研究者らによれば、これらのゲノム配列をつなぎ合わせるには非常に強力なコンピューターシステムが必要となる。遺伝子の解析に約6か月、研究のためにこの種のゲノム解読を理解し完成させるには約2年かかり、莫大な費用も必要になるという。
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