ベトナムだけに分布するヘビの新種、その姿
ベトナム・カンホア省の小さな島だけで見つかっている新種のヘビが、このほど科学界で正式に認められた。
ベトナムとロシアの研究者、グエン・ヴァン・タン(Nguyễn Văn Tân)修士(ベトナム中部ダナンのズイタン(Duy Tân)大学)、ニコライ・A・ポヤルコフ氏とアンドレイ・M・ブラギン氏(いずれもロシアのモスクワ大学)らは、ベトナム南中部沿岸のカンホア(Khánh Hòa)省にある小島ホンチェー(Hòn Tre)島で見つかったヘビの新種を発見し、記載した。
研究チームは新種をコルブロエラプス・アドレリ(Colubroelaps adleri)と命名した。ベトナム語名は「ザン・ホー・ヌオック・アドラー(rắn hổ nước Adler)」。この名は、世界、とりわけベトナムを含むアジア地域の両生類・爬虫類研究に貢献してきた米コーネル大学のクレイグ・アドラー(Kraig Adler)教授の功績をたたえたものだ。

C. adleriの頭部、胴体、腹面、尾のクローズアップ(写真:Herpetozoa)。
この新種はナミヘビ科コルブロエラプス属に属する。これまでコルブロエラプス属は1属1種で、唯一の種はコルブロエラプス・グエンバンサンギ(Colubroelaps nguyenvansangi、ベトナム語名「ザン・ホー・ヌオック・グエン・ヴァン・サン」)だった。この種名は、ベトナムの爬虫類・両生類研究に貢献したハノイの生態・生物資源研究所(Viện Sinh thái và Tài nguyên sinh vật)のグエン・ヴァン・サン(Nguyễn Văn Sáng)博士にちなむ。
新たに見つかったC. adleriは、C. nguyenvansangiと比べて体が小さく、尾が短いほか、背面・腹面の鱗や尾下板の数にも違いがある…
C. adleriの背面は淡い褐色で、背骨に沿って細く途切れた黒い縦じまが走る。体側は濃い灰色、腹面は一様な乳白色。頭部は黒く、吻端板、鼻板、前額板、眼前板、頬板は淡褐色で、濃い褐色の斑点がある。
C. adleriはナミヘビ科のヘビで、毒を持たない.


C. adleri(上)とC. nguyenvansangi(下)の違いの比較(写真:Herpetozoa)。
研究者らによると、C. adleriはカンホア省ホンチェー島の標高30mの地点にのみ生息する固有種だという。
C. adleriは非常にまれで、研究用に採集できた標本はわずか1点にとどまる。さらにホンチェー島での観光開発による脅威にさらされていることから、研究者らは国際自然保護連合(IUCN)の基準に基づき「絶滅危惧(Endangered)」に分類するよう提案している。
C. adleriに関する論文は、爬虫類・両生類を専門とする学術誌「Herpetozoa」に掲載された。同誌は世界の爬虫類・両生類の生物学、分類学、生態学、保全状況に関する研究や論文、報告を掲載している。
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