Khoa Học News

ベトナムの毒ヘビたち

動物の世界、とりわけヘビの世界は、興味深い驚きに満ちている。ベトナムの毒ヘビとしては、キングコブラ、マルオアマガサ、シロクチアオハブなどが挙げられる。中には、ほんの一瞬で人を死に至らしめるほどの毒を持つ種もいる。

生物学的特徴と習性

ヘビとは、脚を持たず細長い円筒形の体をした肉食性爬虫類の総称である。ほかの有鱗目の動物と同じく脊椎動物で、まぶたと外耳を持たない。

顎の構造が非常に柔軟なため、自分の頭よりはるかに大きな獲物でも丸のみにできる。

ヘビの狩りの方法は2通りある。毒ヘビは毒で獲物をまひさせ、毒を持たないヘビは獲物に巻きついて締めつける。ただし、ヘビの大半は無毒で、普段は人間を避け、挑発されたときにだけ攻撃する。

脚がないため、主に地面を這って移動する。移動の仕方も多様で、体を左右にくねらせる蛇行運動、横ばい運動、遊泳などがある。毒は狩りだけでなく、身を守るための武器にもなる。

ヘビは南極大陸を除くすべての大陸に分布し、海中から標高4900メートルの高地まで、ほぼあらゆる環境で見られる。

分類

世界には20以上の科、500の属にわたり3400~3550種のヘビがおり、その優れた適応力と繁栄ぶりを示している。

この多様性を踏まえ、本記事ではベトナムでよく見られる有毒・無毒の種に絞って紹介する。

見分け方は主に、体色、頭部や体の形、歯の構造といった外見上の特徴に基づく。これによると、ベトナムに生息する猛毒のヘビはコブラ科とクサリヘビ科の2科に分けられる。

ベトナムには200種近いヘビが生息し、そのうち53種が毒ヘビで、主にこの2科に属している。

プロトボトロプス・コルヌトゥス(角のあるハブ)

学名はProtobothrops cornutus(旧学名Trimeresurus cornutus)で、ベトナム名はラン・ルック・スン(rắn lục sừng、「角のあるクサリヘビ」の意)。ベトナムで見つかっている。三角形の頭部は首とはっきり区別でき、頭頂は小さな鱗に覆われている。目の上の鱗が角状に発達していることから「悪魔のヘビ」とも呼ばれる。体長は約50cm。その毒は、ベトナムで最も強い毒を持つヘビの一つに数えられる。

シロクチアオハブ

学名はTrimeresurus albolabris。ベトナムでは「尾の赤いクサリヘビ」(rắn lục đuôi đỏ)と呼ばれ、アオハブ類の中でも特に毒が強い。体は緑色で、尾は赤褐色をしている。主にチュオンソン(Trường Sơn)山脈の高山や深い森、ベトナム北西部の山岳地帯に生息し、現在はメコンデルタのカントー(Cần Thơ)でもごくわずかに見られる。最近ではクアンガイ(Quảng Ngãi)省やゲアン(Nghệ An)省ナムダン(Nam Đàn)地域にも現れ、昨年はダナン(Đà Nẵng)市まで分布を広げた。

マレーマムシ

マレーマムシはベトナムでチャム・クアップ(rắn chàm quạp)またはコー・モック(rắn khô mộc、「枯れ木のヘビ」の意)と呼ばれ、学名はCalloselasma rhodostoma。その名の由来は、体色が枯れ葉や枯れ木に溶け込み、見つけるのが極めて難しいことにある。ベトナム東南部に広がるゴム林でよく見られ、グエン・ラン・ズン(Nguyễn Lân Dũng)教授によると、その危険度はウミヘビに次ぐという。

トリメレスルス・フォーゲリ

学名はTrimeresurus vogeli(旧学名Viridovipera vogeli)。頭頂と体は緑色で、腹側はそれより淡い。この種の食性については、まだよく分かっていない。夜行性で、標高900~1500メートルの丘陵や山地の茂みや低木の間に生息する。ベトナムではザライ(Gia Lai)省、ドンナイ(Đồng Nai)省、ラムドン(Lâm Đồng)省に分布する。

アゼミオプス・フェアエ

ウィキペディアによると、ベトナムで「頭の白いクサリヘビ」(rắn lục đầu bạc)と呼ばれるこのヘビは学名をAzemiops feaeといい、最も原始的な毒ヘビの一つとされる。中型で、やや平たい頭部は首とはっきり区別できる。体長は約80cm。標高1000メートルまでの山地に生息する。ベトナムではカオバン(Cao Bằng)、旧ヴィンフー(Vĩnh Phú)省、ランソン(Lạng Sơn)に分布するが、野生の個体数はごくわずかだ。

プロトボトロプス・トルンカンエンシス

学名はProtobothrops trungkhanhensis。これまでのところ、ベトナム北部カオバン省のチュンカイン(Trùng Khánh)自然保護区でしか見つかっていない。体長は約70cmで、プロトボトロプス属(ハブ属)の中ではかなり小さい。標高500~700メートルの常緑樹林や熱帯の石灰岩地帯の雨林に生息する。

ナジャ・シアメンシス

ベトナムで「シャムのコブラ」(rắn hổ mang xiêm)、あるいはホー・マン・バイン(rắn hổ mang bành)と呼ばれるこのコブラは、学名をNaja siamensisという。人を死に至らしめる毒を持つ。コブラは挑発されたり脅かされたりすると攻撃することが多い。かまれると、毒によって呼吸が抑制され、横隔膜がまひして窒息し、早ければ30分ほどで死に至ることもある。主にネズミ、鳥、カエルを食べる。ベトナムでは主に南中部と南部に分布する。

キングコブラ

キングコブラの学名はOphiophagus hannah。自ら人を襲うことはないが、生息域では危険で恐ろしい動物とされている。毒を注入できるだけでなく、獲物をかむ際に毒の量を調節することもできる。その毒には神経系をまひさせる神経毒が含まれ、かまれた人は昏睡に陥り、死に至る。

ナジャ・カオウティア

ベトナムでホー・ダット(rắn hổ đất)、ホー・マン・モット・マット・キン(hổ mang một mắt kính、「片眼鏡のコブラ」の意)、ホー・フィー(hổ phì)などと呼ばれるこのコブラの学名はNaja kaouthia。刺激を受けるたびに、首を大きく広げて威嚇する姿は非常に恐ろしい。ごく少量の毒でも、獲物を突然死させることがある。

ウミヘビ

ウミヘビはウミヘビ亜科(Hydrophiinae)に属する。陸生の祖先から進化したが、海で暮らす毒ヘビのグループである。ウミヘビの共通の特徴は、ウナギのように体が左右に平たいことだ。魚と違ってえらを持たないため、呼吸のために定期的に水面に浮上しなければならない。ウミヘビの多くは強い毒を持つ。ベトナムではラン・デン(rắn đẻn)、ラン・デン・ビエン(rắn đẻn biển)などとも呼ばれ、国内の多くの海域に生息している。

マルオアマガサ

マルオアマガサ(Bungarus fasciatus)は、ベトナムでカップ・ノン(rắn cạp nong)、カップ・ニア(rắn cạp nia)、マイ・ガム(rắn mai gầm)などと呼ばれ、コブラ科(Elapidae)に属する。猛毒を持つヘビの一つで、人を襲うことはめったにないが、運悪くかまれた場合、すぐに治療を受けなければ数分で命を落とすこともある。ベトナムの平野部、中部丘陵地帯、山岳地帯に広く生息する。夜間に狩りをし、ほかのヘビを捕食するほか、トカゲを食べることもある。

斑点のある「枯れ葉ヘビ」

ベトナムでラー・コー・ドム(rắn lá khô đốm、「斑点のある枯れ葉ヘビ」の意)と呼ばれるこのヘビは体色が変化しやすく、頭部は黒っぽい色から淡褐色、体は濃いオレンジ色または淡い赤褐色である。体の模様は、脇腹に離れて並ぶ大きな斑点、不ぞろいな大きな丸い斑点、背中のねじれたような黒い模様や黒い縦じまなどさまざまで、無地の個体もいる。胴と尾の先端には黒い輪がある。腹側はピンク色で、尾の下面には不均等な黒と白の部分がある。体長は約47cm。


体の模様は、脇腹に離れて並ぶ大きな斑点からなることがある。

雌は年に1回、1回につき2個の卵を産む。主に小型のヘビ、特にティフロプス属(Typhlops sp.)のヘビや、トカゲを食べる。毒を持ち危険である。興奮すると、白黒の下面を見せるように反り返り、体を丸めて敵を威嚇する。

追い詰められると死んだふりをし、悪臭を放って相手を欺く。この夜行性のヘビは通常、標高1000メートルまでの密林の中で、がれきや薪の山などの下に見られる。

「ネココブラ」


写真:チュオン・グエン(Trường Nguyên)

ベトナムでホー・メオ(rắn hổ mèo、「ネココブラ」の意)と呼ばれるこのヘビは、インドシナコブラとも呼ばれる。1.4~1.6メートル先まで毒を噴射できることで知られる。ティン(Tình)医師によると、このヘビの頭にはV字形または猫の顔のような模様があることが多い。南部でよく見られる。怒ると首を前後方向に膨らませ、ほかのコブラのように左右に広げることはない。

編集情報: こちら
この記事はベトナム語から翻訳されました。 原文を読む
関連キーワード:
過去の記事
ジュゴンとマナティーの簡単な見分け方:よく似た希少な2種の海洋動物

ジュゴンとマナティーの簡単な見分け方:よく似た希少な2種の海洋動物

よく似たジュゴンとマナティーは尾の形で簡単に見分けられる。ベトナムの海に生息するのはジュゴンのみだ。

公開日: 16/10/2025
ベトナムでモクズガニ類「エリオケイル・ヘプエンシス」を確認

ベトナムでモクズガニ類「エリオケイル・ヘプエンシス」を確認

ベトナムでは、モクズガニ類のエリオケイル・ヘプエンシスが、省ごとにカーラーやクアロンなどさまざまな名前で呼ばれている。

公開日: 04/11/2024
ベトナム固有のカエルの新種を発見

ベトナム固有のカエルの新種を発見

ベトナム北部ポーマールン山で、オレオララクス属のカエルの新種が発見され、ベトナム固有種として認められた。

公開日: 04/10/2024
トゥードゥックでコーヒー中の男性、迷い込んだ希少なサイチョウを発見

トゥードゥックでコーヒー中の男性、迷い込んだ希少なサイチョウを発見

ホーチミン市で枝に止まる大きなくちばしの鳥を見つけた男性が追い払おうとしたが、鳥は逆に近づいてきたため捕まえ、森林保護官に引き渡した。

公開日: 05/09/2024
シルバールトン一家にオレンジ色の赤ちゃん誕生、サイゴン動植物園で話題に

シルバールトン一家にオレンジ色の赤ちゃん誕生、サイゴン動植物園で話題に

ホーチミン市のサイゴン動植物園で、オレンジ色の毛をしたシルバールトンの赤ちゃんが「雑種」かと話題に。園は成長とともに親と同じ毛色になると説明した。

公開日: 09/08/2024
ベトナムで発見された新種の毒ヘビを間近で見る

ベトナムで発見された新種の毒ヘビを間近で見る

国際研究チームがベトナム中部沿岸の森林で、黄色い目と青い唇を持つ新種の毒ヘビ、トリメレスルス・キアノラブリスを発見した。

公開日: 07/08/2024
ベトナム・サオラ自然保護区の希少動物たち

ベトナム・サオラ自然保護区の希少動物たち

ベトナム中部のサオラ自然保護区で2023年以降、自動撮影カメラにより39種の動物が確認された。多くが希少種や絶滅危惧種だ。

公開日: 31/07/2024
Khoa Học News