鉢植え胡蝶蘭の育て方
買ってきたばかりの胡蝶蘭をどう植え付けるかは、多くの人が関心を寄せる問題だ。本記事では、胡蝶蘭の最も簡単な育て方を紹介する。
胡蝶蘭は花期が3~4カ月に及び、丁寧に手入れすれば6カ月続くこともある花だ。空間を彩るインテリアでは、気品ある高級な美しさの象徴とされている。
胡蝶蘭は、ランの中でも特に花持ちの良い品種の一つである。現在、胡蝶蘭は観葉植物の愛好家に非常に人気があり、広く栽培されている。花を咲かせ、長く鮮やかに保つためには、この観賞植物の比較的手間のかかる植え付けと手入れの技術に注意を払う必要がある。
胡蝶蘭はランの中でも特に花持ちが良く、さまざまな条件下で容易に開花する。そのため欧州の国々では、胡蝶蘭は昔から愛の贈り物とされてきた。また、清らかさと豊かさの象徴でもある。
胡蝶蘭は華美でも香りが強いわけでもないが、その上品な佇まいにより、どこで咲いても気品ある優雅な花で人々の目を引きつける。東洋の風水では胡蝶蘭は家庭に幸運と豊かさをもたらすとされ、日本では皇室とゆかりがあるともいわれ、富の象徴とみなされている。
そのため、新年に胡蝶蘭の鉢を家に飾ると、翌年の豊かさや富、繁栄を象徴するとされる。では、思い通りに美しく咲く鉢を手に入れるにはどうすればよいのか。次の簡単な植え付けと手入れの手順を正しく守れば、実に簡単だ。
鉢植え胡蝶蘭の育て方
胡蝶蘭の栽培ガイド
山林の花
実際のところ、この野生の花の栽培と手入れは、多くの人が思うほど難しくはない。胡蝶蘭(学名ファレノプシス、Phalaenopsis)は植物界で最大級の科の一つであるラン科(Orchidaceae)に属し、東南アジア、フィリピン、オーストラリアが原産だ。これらの植物は通常、深い森の中で樹木や岩にしっかりと着生する。大きく幅広い多肉質の葉と、多数の花をつける弓なりの花茎を持つ。1株には通常5~10枚の葉と多数の白い根がある。
胡蝶蘭の栽培は多くの人が思うほど難しくない
大きく丸い花をつける花茎を持つ種もある。花茎が短く、白、ピンク、黄色の鮮やかな花や、縞、縁取り、斑点が混じった花弁を持つ種もある。これらの種のほか、多くの交配種は自然環境よりも人工的な環境によく適応する。胡蝶蘭の重要な特徴の一つは、栽培下では花が約3カ月持つことだ。さらに長く咲き続ける種や交配種もあり、一年中開花する品種もある。開花期は12月から5月末までだ。
胡蝶蘭の形や大きさはさまざまだ。株ごとに別々の鉢に植えることも、複数の株を一つの鉢にまとめて植えることもできる。普通の鉢には複数の株を植えることができ、適切に手入れすれば2年以内に開花する。
光と温度の条件
胡蝶蘭がよく育つには光が必要だ。室内では明るい窓の近くに置き、直射日光は避ける。人工照明を使うこともでき、照明は株の上方に設置し、1日少なくとも12~16時間当てるとよい。温室の場合は、特に夏場は布で遮光する。
思い通りの美しい鉢を長く楽しむには、基本的な栽培技術にいくつか注意する必要がある
このランには日中18~29℃、夜間13~18℃の温度が必要だ。秋には、花茎の形成を促すため、夜間の温度を3週間続けて16℃未満に保つとよい。温度や湿度の急激な変化は、つぼみが落ちる原因となることが多い。
湿度の確保と水やり
胡蝶蘭には50~80%の湿度が必要だ。周囲の湿度がこれより低い場合は、覆いを使って株からの水分の蒸散を抑えるとよい。別の対策として、砂利や小石と水を入れた受け皿に株を置く方法もある。その際、株は常に砂利や小石の上にあり、水に触れないようにする。この植物にとって水やりは非常に重要で、慎重に行う必要がある。
胡蝶蘭は多彩な色を持つ
夏は2~3日に1回程度水やりをし、逆に冬は10日に1回程度で十分だ。水やりに最適な時間帯は昼で、夜までに葉が乾くためだ。葉に水が残ると腐る原因になるため、季節に合わせて水やりをするとともに、株の水分需要と使用する植え込み材(一般的にはバーク、パーライト、ヘゴ材、木炭)も考慮するのが最善だ。
肥料と殺虫剤
施肥は夏場と生育期により頻繁に行う。冬場は株が吸収する養分が少なくなる。施肥の前には必ず株に十分水を与えておく。NPK 14-14-14のようなバランスの取れた肥料が最適だ。開花中の株には、リン酸の比率が高い配合(10-30-20%)を使う。

開花時期は好みに合わせて調整できる
胡蝶蘭はつぼみを食害する虫、ハダニ、アブラムシ、カタツムリなどの害虫がつきやすい。葉についた害虫は石けん水か殺虫剤で取り除き、その後柔らかい布で葉をきれいに拭き取る。
開花を促す
胡蝶蘭の花は通常、開花から3カ月ほどでしおれる。花が終わったら、花茎を根元からすべて切り取ることで再び開花させることができ、花茎が古くなって茶色に変わっている場合には特に効果的だ。ただし花茎がまだ緑色なら、花茎の節の上で一節分だけ切るにとどめる。切り取る部分の長さは10~12cmほどにすると、2~3週間以内に新しい枝が出やすくなる。
胡蝶蘭の風通しを良くする
ほかのランと比べ、胡蝶蘭にとって風通しは極めて重要だ。これは、このランによく見られる腐敗病や多くの真菌性の病気を防ぐうえで非常に重要な要素である。風通しが良いほど水やり後に早く乾くため、病気にかかりにくくなる。ただし、風が強すぎると株が水分を失いやすい。そのため、胡蝶蘭の葉が常に乾いた状態を保てる程度に風通しを適度に調整することが大切で、これは鉢の置き場所と周囲の空間によって変わる。
植え替え
胡蝶蘭は寿命が非常に長いため、植え替えが必要になる。植え替えが必要な理由は二つあり、一つは今の鉢では株が育たなくなった場合、もう一つは植え込み材が分解して、根がよく育つのに十分な空気が行き渡らなくなった場合だ。植え替えは1~2年に1回行えばよく、最適な季節は春だ。
根が広がると鉢と植え込み材を覆い、根と根の隙間を埋めるため、植え込み材と根の間に空間ができないようにする。茎の付け根は植え込み材の表面からわずかに下に来るようにする。植え替え後は日陰に置き、3日後に水やりをする。
テト後の胡蝶蘭の手入れ
テト後、花茎の花の大半がしおれたら、株を生かして早く回復させるため、寄せ植えを1株ずつに分けて植え付け、手入れをするとよい。
テトに飾られる胡蝶蘭は、通常大きな鉢に寄せ植えされ、華やかな鉢物に仕立てられる。しかしテト後は、家庭が忙しく、手入れを忘れたり十分にしなかったりするため、多くの株が枯れたり、育たなくなったり、徐々に弱ったりする。持ち主があまり気にかけなかったり、花が終わった後の手入れ方法を知らなかったりするためだ。

はさみで花茎を切り取る。花茎の最後の休眠芽から約3cm上で切る。花茎の付け根ぎりぎりで切ると、葉を傷めたり折ったりしやすく、腐敗が茎に広がりやすいので避ける。花茎に残った休眠芽からは子株が出る可能性がある。医療用の脱脂綿にアトニック(Atonic)を少量含ませて休眠芽に約1週間当ててから外すと、1~2カ月後に子株が出ることがある。
- 病気が軽く、黄変が葉の3分の1未満の葉は、カミソリかよく切れるナイフで傷んだ部分をえぐり取って、葉を残すようにする。
- 病気がひどく、葉の裏にカビやダニの跡が広がっている葉は、完全に切り取る。
次に、株元と根の処理を行う。まず根の状態を観察する。量産された胡蝶蘭の多くは水苔で植えられており、テトの時期には生産者や持ち主が水を多く与えるうえ、輸送や花を曲げるための金属の支柱の影響で、根が大きく腐ることが多い。プラスチックのポットは取り外す。
- 根がまだ新鮮で緑色を保ち、腐りが少なければ、根鉢をそのまま残すようにする。清潔なはさみで腐った根をすべて切り取り、新鮮で緑色の根はそのまま残す。すべての切り口に石灰、マニキュア、樹木の癒合剤、または502(瞬間接着剤)を塗り、根鉢ごと鉢に入れ、株元をひもでしっかり固定してぐらつかないようにする。殺菌処理したヘゴ材を鉢の周囲に入れて軽くたたいて適度に締め、根の成長を観察できるよう株元は覆わないでおく。

- 根の傷みがひどい場合は、根鉢の水苔をすべて取り除き、腐った根や折れた根をすべて切り取る。切り口に石灰や接着剤を塗り、鉢底に発泡スチロールを少し入れる。
根をほとんど切り取った株は、鉢の中でしっかり立たせるのが難しい。長方形の発泡スチロールを株元の真ん中に置き、その上に株を載せる。株元にひもを結び、両側にしっかり固定して、鉢を持ったときに株がぐらつかないようにする。
- 株は涼しい場所に置き、雨には絶対に当てず、約3日間乾かしてから鉢全体にたっぷりと1回水をやる。
- B1肥料やアトニック(Atonic)、K/Hなどの成長促進剤を、小さじ2分の1を水20リットルに溶かすという非常に薄い濃度で希釈し、毎日霧吹きで湿らせる。
- 1~2週間ほどで新しい根が出てくる。若い根が植え込み材に入り込んだら、植え込み材をもう一層足す。
- 1~2カ月後には株が再び安定して育つようになるので、通常通り施肥と水やりを行う。
胡蝶蘭の花言葉
東洋の風水では、胡蝶蘭は幸運、財運、気品、豊かさを表すとされる。欧州の国々では、胡蝶蘭は情熱的な愛の象徴とみなされている。また、胡蝶蘭は女性の美しさを表し、完璧さと魅力を想起させる。
それだけでなく、胡蝶蘭は子孫繁栄の象徴でもあるため、家に一鉢飾っておきたい。そのため胡蝶蘭は、春を迎えるテトの飾り花として常に選ばれている。色の異なる胡蝶蘭には、それぞれ異なる意味がある。
白い胡蝶蘭
純白の色は、白い胡蝶蘭の意味をある程度物語っている。白い胡蝶蘭は美しさと気品の象徴であると同時に、家庭に富と繁栄をもたらすともいえる。
白い胡蝶蘭は順調な新しい門出も表し、大切な人と共に未来へ歩んでいく誠実で愛情あふれる気持ちを伝える素晴らしい贈り物となる。
赤い胡蝶蘭
赤は常に、恋人たちの心に灯る炎のような、情熱的で燃えるような愛を表す色だ。また、赤は権力や魅惑的な征服も表す。深い愛を伝えたいなら、鮮やかな赤い胡蝶蘭を贈り、花に思いを代弁させるとよい。意味深く、ロマンチックな演出にもなる。
黄色い胡蝶蘭
黄色は明るさと繁栄を表す色だ。黄色い胡蝶蘭は満ち足りた暮らしと良い新たな始まりを意味する。上品な美しさを持つこの花は、テトに春を迎える贈り物としても非常に意味がある。そのため、家族や友人、同僚、顧客に贈るとよい。
紫の胡蝶蘭
胡蝶蘭の紫は、ほかの花とは大きく異なる。一枚一枚の花弁の優美さが、華麗で気高く、神秘的で抗いがたい魅力を生み出しているからだ。紫は貞節と忠誠の色であり、紫の胡蝶蘭は王族の象徴でもある。上司への贈り物に紫の胡蝶蘭を選べば、その花の意味が尊敬と敬愛の気持ちを伝えてくれる。
青い胡蝶蘭
青い胡蝶蘭は非常に特別で珍しい色を持つため、栽培はやや難しい。青は空や海の色を表し、安らぎと、どこか精神的な価値を感じさせる。そのため、青い胡蝶蘭は寺院のような静かな場所にふさわしいとされる。
オレンジの胡蝶蘭
赤のように燃え立つわけでも、黄色のようにまぶしいわけでも、ピンクのように柔らかいわけでもないが、オレンジの胡蝶蘭は夕暮れどきの黄金色の日差しのような温かさをもたらす。オレンジは若さの活力、生命力、情熱、そして明るいユーモアを表す。前向きな願いや若々しいエネルギーを届けたいなら、オレンジの胡蝶蘭を選ぶのが正解だ。
ピンクの胡蝶蘭
ピンクは人気のある色で、みずみずしい優しさを表す。赤ほど鮮やかではないが、心地よく調和の取れた印象を与える。ピンクの胡蝶蘭は喜びと幸せを贈るという意味を持ち、美しく理想的で、穏やかにロマンチックな愛を象徴する。ピンクの胡蝶蘭の鉢に、変わらぬ真心のメッセージを託してみてはどうだろうか。
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