ウスバカマキリ(Mantis religiosa)
| 学名:Mantis religiosa 科:カマキリ科(Mantidae) 目:カマキリ目(Mantodea) 分類群:昆虫 |
ウスバカマキリは体長40~80mmの大型の昆虫で、よく発達した幅広い前翅2枚と後翅2枚を持つ。後翅はガラス板のように透き通っており、翅は淡い緑色または淡い褐色をしている。前胸(胸部の第1節)は筒状に長く伸び、前脚の基節の内側には黒い斑紋が1つあり、通常その中央に明るい褐色の点がある。
前脚は刃のような形で内側の縁に歯が並び、獲物を捕らえたり敵と戦ったりするのに使われる。雌は一般に雄より大きい(雌48~76mm、雄40~61mm)。体色は生息場所の色に応じて変化し(特に獲物を待ち伏せしているとき)、通常は緑色、枯れ草色、または黄色から褐色である。
生態:
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(写真:curieux-de-nature) |
雌は交尾後まもなく産卵する。1回に約100~300個の卵を産み、卵は卵鞘(らんしょう)の中に規則正しく並べられる。夏または初秋に産まれた卵は、短期間(1カ月前後)で孵化する。晩秋に産まれた卵は通常そのまま越冬して春に孵化し、幼虫は非常に速く成長して、4回の脱皮を経て成虫になる。
生息環境:
体色は通常、生息する植物や環境の色に合わせた保護色(擬態)の役割を果たしており、本種には前述の3つの基本色がある。草本植物の上よりも、大きな樹木や低木の上で見られることが多い。
分布:
- ベトナム:国内全域に分布し、文献によればベトナム北部のランソン(Lạng Sơn)省、北東部沿岸のクアンニン(Quảng Ninh)省、紅河デルタのニンビン(Ninh Bình)省、ベトナム中部のクアンビン(Quảng Bình、現在はクアンチ省の一部)で確認されている。カマキリ目(Mantodea)の中で「ベトナム・レッドデータブック(Sách Đỏ Việt Nam)」に掲載されている唯一の種である。
- 世界:温帯と熱帯の両方に広く分布し、ヨーロッパ、アジア、アフリカのほか、北米やオーストラリアにも生息する。
人との関わり:
多くの害虫を捕食するため、害よりも益の方が大きい昆虫であり、特に植物に害を与えるアブラムシ類(Aphididae)を大量に食べる。また、自然に彩りを添える存在でもある。ただし、ミツバチなどの益虫を食べることもある。
現状:
環境要因や天敵、共食いに加え、ベトナムでは子どもたちが遊びのためによく捕まえることから、このカマキリの個体数は非常に少なく、めったに見られない。多くの国が本種を希少昆虫に分類している。

(写真:carnet)
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