カーソーヴァンはなぜ高値で売られるのか?
ベトナムは水産資源が量・種類ともに豊富だが、その中に価格が数十億ドンにも達する極めて希少な魚がいる。カーソーヴァン(cá sủ vàng)だ.
カーソーヴァン(学名:Otolithoides biauritus)は、カーソーヴァイヴァン、カーソーヴァンケップ、カートゥー、カードゥオンとも呼ばれ、ニベ科(Sciaenidae)で最大の魚で、インド、インドネシア、スリランカ、中国、ベトナムに分布する。
ベトナムでは、カーソーヴァンは北部から南部までの海域に点在している。タインホア(Thanh Hóa)省やゲアン(Nghệ An)省などベトナム中北部の省でも見られるが、現在では数が少なく、まれにしか現れない。ただし、まだ漁獲が可能なため、レッドデータブックには掲載されていない。

カーソーヴァンは希少で経済的価値の高い魚だ。
専門家によると、カーソーヴァンは吻がとがり、口が大きく、体色はウコンのような黄色で、下あごは眼窩の後方の下まで伸び、歯は強く、背びれは長い。海に生息するが、産卵期(旧暦1~4月と9~10月)には汽水域の河口へ泳いで行き産卵する。
稚魚は内陸深くの淡水域に入って生活し、1~2年後に自ら海へ戻る。成魚は最大で体長160cm、体重120kg以上に達する。
生息環境によって、頭部と背中は灰色または緑色になる。カーソーヴァンが死ぬと、全身の色は淡い黄色から濃い黄色へと次第に変わっていく。
カーソーヴァンは主に水底に住む無脊椎動物や小魚を餌とする。人工的な環境では育ちにくく、観賞用や保全目的で飼育することは極めて難しい。
カーソーヴァンの価値について、ベトナム科学技術アカデミー傘下の海洋資源環境研究所(Viện Tài nguyên và Môi trường biển)のグエン・ドゥック・クー(Nguyễn Đức Cự)博士は、かつてこの魚の研究に携わった経験から、数十億ドンの価値を生むのは肉やうろこではなく浮き袋だと説明する。
「カーソーヴァンの浮き袋は医療用縫合糸の原料になる。この糸は患者を縫合した後、自然に分解される」とクー氏は語る。体重40~50kgの魚から、生の浮き袋が約1kg取れるという。

カーソーヴァンの口は特徴的な黄色をしている。(写真:ダイドアンケット(Đại Đoàn Kết)紙)
また、干した浮き袋はたんぱく質が豊富な食品としても珍重されており、干した浮き袋500gあたり約442gのたんぱく質を含む。民間では朝鮮人参にたとえられ、伝統的に滋養強壮に用いられてきたが、こうした健康効果は科学的に証明されておらず、いかなる病気の治療法としても実証されていない。中国の伝統料理や民間療法での需要が、この魚の価値を大きく押し上げている。
ベトナムでは、2005年以前のカーソーヴァンの価格は1kgあたり500万~700万ドン(300~400米ドル)だった。2007年には1kgあたり約1500万~2000万ドンとなり、現在では仲買人が見つけた魚は重さによって数十億ドンで売れることもある。
さらに、中国の古くからの考え方では、カーソーヴァンの料理は常に「最高の美味」とされてきた。この魚は幸運と商売繁盛をもたらすと信じられている。以前は1kgあたり約1500万~2000万ドンだったが、現在は3000万~4000万ドンに達することもある。
カーソーヴァンの肉を使った独特な料理のいくつかは、香港の人々が最も好む料理トップ10に入り、世界で最も高価な料理の部類に属する。中国人はまた、カーソーヴァンを食べると幸運に恵まれ、商売が繁盛すると考えている。さらに、カーソーヴァンのうろこは非常に硬いため、楽器を弾くピックの材料として使われ、日本や欧州へ輸出されている。
魚類の専門家であるマイ・ディン・イエン(Mai Đình Yên)教授は、この魚は主に日本、米国、中国など、浮き袋から縫合糸を製造する技術を持つ先進国へ売られていると付け加えた。また、うろこが硬いため、楽器のピックにも使われるという。
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