希少なホラガイ、20年ぶりにベトナム中部の海で発見
ベトナム中部ホイアン(Hội An、現ダナン市)沖のクーラオチャム(Cù Lao Chàm)諸島の海域で、20年ぶりに重さ2.6kgを超えるホラガイが漁師によって発見された。
クーラオチャム海洋保護区管理委員会のグエン・ヴァン・ヴー(Nguyễn Văn Vũ)副委員長は8月21日、当時ホイアン市に属していた離島のタンヒエップ(Tân Hiệp)村バイオン(Bãi Ông)集落に住む漁師チャン・ヴァン・クー(Trần Văn Cử)さんが捕獲した、重さ2.6kg超、長さ44cmのホラガイを海に放流したと明らかにした。

ホラガイを海に放流するクーさんと関係当局の職員。(写真:クーラオチャム海洋保護区管理委員会)
ヴー氏によると、同委員会は2004年以降、クーラオチャム海域でホラガイを確認していなかった。「住民がホラガイを発見したことは、これまでのクーラオチャムでの海洋保全の成果を示している」と同氏は述べた。
これに先立つ8月19日、クーさんはクーラオチャム海洋保護区内で刺し網漁をしていた際にこのホラガイを捕獲した。保護区管理委員会による保護の啓発活動を通じて、クーさんはこれが希少種であることを知っていた。
地元住民によると、かつてクーラオチャムの海にはホラガイが生息していた。大型であるため、潜ると簡単に見つけられた。住民が食用や販売目的で捕獲した結果、その後は姿が見られなくなったという。現在、ホラガイのような保護対象種を捕獲、売買、または食用にすることはベトナムでは違法であり、刑事訴追の対象となり得る。

重さ2.6kg超、長さ44cmのホラガイ(写真:Ngọc Diên)
ホラガイの学名はCharonia tritonisで、ベトナムでは「女王貝」や「皇后貝」とも呼ばれる。殻の表面はクリーム色で、濃い茶色や薄い茶色の模様が多数ある。殻口から殻頂にかけて、はっきりとした螺旋状の隆起が多数走っている。潮下帯の軟らかい海底やサンゴ礁の周辺に生息し、水深20~30mまで潜ることもある。
ベトナムでは、ホラガイ(Charonia)はリーソン(Lý Sơn、クアンガイ省)、ホンムン(Hòn Mun)、ホンチェー(Hòn Tre、カインホア省)などの島の周辺海域やサンゴ礁域に多く分布している。現在、ホラガイはベトナム・レッドデータブックにおいて、保全・保護が必要な希少種のリストに掲載されている。ホラガイは貴重な貝で、工芸品としての価値が高いが、個体数は比較的少ない。現在、ホラガイは稚貝を含めて徹底的に採取され、各地で資源が枯渇しており、脅威レベルはV(絶滅の危機に瀕する可能性のある経済的価値の高い種)とされている。
ホラガイの主な餌はオニヒトデ(Acanthaster planci)であり、オニヒトデはサンゴを食べてサンゴ礁の生存を脅かしている。そのためホラガイは、サンゴ礁を守るうえで生物学的に極めて重要な役割を担っている。
ベトナム水産総局によると、オーストラリア政府は「リーフ2050計画」の枠組みで56万8000豪ドルを投じ、オニヒトデの天敵であるホラガイの繁殖研究を実施している。オーストラリア海洋科学研究所は、ホラガイの幼生を稚貝、さらに成貝へと育てる研究開発を進め、この種の生物学的研究の完成を目指している。
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